中国はすでにMMTという新しい経済理論に基づいて経済活性を行っているという指摘を見た事があります。
MMTについては難しい為、一部の要素から説明させていただきます。
お金について考える時、2つの側面がある事を考える必要があります。それは負債は誰かの資産であるという点です。
従来のお金への考え方はお金があり、資産があり、それを誰かに貸す、そこで負債が発生するというものでした。
しかし、最新の経済理論MMTでは逆に考えます。まず、借金を最初にして負債から先に生まれるというものです。
卵が先か鶏が先かという感じで考えて頂ければ幸いです。
しかし、何故これが重要かと言うと、国の経済について言うと、以前は資産があり、その資産範囲で公共投資や社会保証をしてきました。これが逆転するのです。先程も誰かの負債は誰かの資産と言いました。国で負債たる国債をまず作ったとしても、これは国民の資産であり続ける限り、経済は回転し破綻しないことになります。単純に言うと金利が極端に上昇しない範囲で国債を発行し、公共投資や社会保証に回すと、その国債の発行額に連動して経済は向上するということです。
実際にMMT理論を実践している国が中国だと言われています。思い出してください。ゴーストタウンを作っていると言っていませんでしたか?彼らはまず、負債を作っているのです。そこに誰かが住む、住まないは関係が無いのです。現状彼らの経済はプラス成長です。中国の景気は鈍化していますが、それは中国が発展途上国ではなくなったからです。上海や深圳の賃金は東京よりはるかに高額です。それでも成長し続けている点が興味深いです。
何故このMMTに注目したかと言うとこの理論を実践しやすい国が日本です。日本はIMFのバランスシートが黒字の珍しい国です。対外資産が1000兆もあり、国債が発行し易い環境にあります。いくら負債を先に作れば経済が大幅に活性化すると言っても、実践するには、国債を多量に発行する必要があると言うハードルがあります。海外の国債は4-5%程度と高金利です。大幅な国債発行は安易にできないと思われます。もちろん、リターンが確実ならば国債大量発行により金利上昇しても構いませんが、そんなリスクを犯して実践する国はいないと思います。
日本は大量の資産をもち、借金が1000兆もあると言われても金利が1%で平行のままの国です。日本がMMT理論を実践するのに適した国と言えます。これは海外の経済学者も目をつけています。異次元金融緩和で多量の国債を発行しても金利が変わらなかった点から注目されたようです。これは借金である負債を先に作っても経済に特に影響を与えないことをまず証明したのです。なお、負債は作りましたが、資産である国債が日銀に眠っている為、一定量の国債を売り出す(国債発行になるので、歳出は増えて、公共投資や社会福祉に投入する)と経済に影響がでるはずです。