モンテッソーリ教育の落とし穴  その不安点とは? | 「真面目にふざけて、ふざけて真面目に』 真面目なゆうき先生の妄想シリーズ紹介

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ブログ『モンテッソーリ教育で伸びる子を育てる』の方にも書きましたが、今回はこちらにもフルで書いておきたいと思います。

 

 

モンテッソーリ教育が30年前にもブームになったとお話ししましたね。

私の英語スクールの周辺にも、かつてモンテッソーリ幼稚園がありました。

人気があったように思いますが、なぜか閉園してしまい、その後はモンテ園ができたという話は聞きませんでした。

もっとも、神戸は阪神淡路大震災があり、日々の生活だけで精一杯という日々が長く続きましたので、新たな幼稚園の開園など無理という状況ではありましたが。

 

モンテッソーリ教育はブームになったけれど、日本の幼稚園に広く取り入れられたかというと、残念ながら全国的に大きく広がるというところまではいきませんでした。

その理由は、やはり日本の文化的背景があります。

 

モンテソ―リ教育の不安点を、一言で言えば、日本の社会に合わない部分があるのではという点です。

詳しくは『モンテッソーリ教育で伸びる子を育てる』に書いているのですが、私が不安に思う理由を少しお話したいと思います。

 

モンテッソーリ教育は、イタリア人のマリア・モンテッソーリによって編み出された教育法です。

当然ながら欧米の文化に根差した教育法です。

日本文化と欧米文化は、私自身、まるで正反対だと思うほど違います

そのあたりは、私の『グローバル社会に生きる子どものための‐6歳までに身に付消させたい‐しつけと習慣』に詳しく書いているのですが、教育の目指すところも違っていたわけです。

 

欧米は一人一人の個性を生かそうとする教育だと思います。

「人は一人一人違う」というのが根本にあります。ですから、みんなで一斉に何かをするということはほとんどありません。日本のような入学式や運動会といったものもありません。

 

一方日本は、集団の和を大切にしようとする教育です。

みんなで仲良くとか協力して何かを成し遂げるということに重点を置きます。運動会とか文化祭などまさしくそうですね。

 

そういう文化的背景から、日本の会社と欧米の会社もずいぶん違うのです。

欧米では、就職は会社にというより、そのポストに応募します。

経理であったり秘書であったり、就職の時点から自分がどんな仕事をするのかがわかっているわけです。

ですから、当然自分の得意なことを仕事に生かそうとしますね。

逆に言えば、自分の得意なことがある方が圧倒的に有利になるわけです。

 

モンテッソーリ教育の、自分の好きなことや関心のあることを自由にできて、自分の得意を伸ばせるという教育スタイルは、欧米社会で生きていくには、とても有効な教育法なのです。

 

でも、日本の会社は、今は少しずつ変わってきてはいますが、やはり日本的経営が主流ではないでしょうか?

まず、多くの場合、就職とはその会社に入ることであって、仕事を選ぶことではありませんよね。仕事を選ぶのではなく、会社を選ぶことが多いのです。

入社後は、どの部署に回されるか、どんな仕事をすることになるのか、特に大企業の場合はわからないのではないでしょうか?

 

また、教育制度そのものも、個々人の能力を伸ばすというより全体の底上げを目指していて、大学への進学率で競い、大学は有名企業への就職率で競っているというのが現状です。

ですから、いくら自分の得意なことがあっても、なかなかそれを社会で生かすことが難しいと言えます。

 

日本の教育を変えるには、まず企業が変わらなければと私は思っていますが、さて、企業の改革には何年かかるでしょうか?

今の子ども達には間に合いますか?

 

これらが、私がモンテッソーリ教育をはじめ欧米のやり方を100%OKとしない理由です。

さらに詳しく具体的にどんな点なのかは『モンテッソーリ教育で伸びる子を育てる』に書いています。

 

 

日本がそのような社会的な構造であることを踏まえたうえで、わが子をどう育てるかというのが、今の親に与えられた大きな、そして難しい課題ですね。

 

私が“日本・欧米いいとこどり育児を提唱する幼児教育研究家”と名乗っているのは、両方の優れた部分、今の子ども達に必要かつ役立つ部分を、うまく取り入れられないかと、考えて実践しているからです。

 

また、そのことをできるだけ多くの方にお伝えしたいと、著書や記事で一生懸命情報発信を行っているというわけです。