招待状が届きました。

 

4年前に叶わなかった想いが、

この夏、2024年の7月中旬、ついに叶います。

 

4年に一度の大舞台。

„聖地“ ライプツィヒで開催される

バッハ国際コンクールです。

 

現在31歳なので、

正真正銘、最後の挑戦となります。

 

プログラムの選曲には1年半以上の時間をかけて、

中止になった4年前のプログラムから、大幅な修正を加えました。

 

自分の声で表現できる幅が増えた、

今の自分の声で表現したい曲のヴィジョンがより明確になったからです。

 

4月半ばに事前審査合格の知らせを貰ってから

ずっとブログを書きたかったのですが、

「今は目の前の音楽に集中」と毎日自分が課した課題に追われていたため、

ゆっくりとパソコンに向き合うことができませんでした。

 

 

 

 

 

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ここまで練習してみて、分かったことというか、

むしろ吹っ切れた感覚があります。

 

 

この夏のライプツィヒの舞台は、疑う余地もなく、

歌手として、私の生涯で忘れることのできない舞台の一つになるでしょう。

若き歌手として歩んできたこれまでの音楽人生の、ある意味ハイライトと言えるかと思います。

音楽家としてこれ以上なく恵まれた我が人生の終焉を迎えるときに、

この夏のことを鮮やかに思い出すでしょう。

 

 

8年にわたった想い、音楽家としてのここ迄のチャプターが、これにて幕を閉じます。

 

ですがそれでも、

いつ何時もベストを尽くす姿勢は当たり前が故に、

舞台で自己ベストを更新した次の日に

新しい自分が平気な顔をして待っていて、

「あぁ昨日こうやって歌えたら良かったのにな」「何が足りなかったんだろうな」

と笑い飛ばせる自分でありたいと思っています。

 

山を登ったと思ったら、登ったからこそ、

今まで霧に隠れて見えさえしなかった山が遠くにうっすらと見えて、

「まだまだ全然だな」と。

 

それこそが、私なりの正統的であり誠実な音楽との向き合い方だからです。

ここまで自分なりのベストを尽くしてきて、辿り着いたひとつの形です。

 

 

 

8年前のライプツィヒで苦しみ踠きながらも、

涙を呑みながらも、言葉を絞り出してくれた23歳の自分に感謝して。

 

 

 

開幕まであと40日。

 

7月17日-19日 一次ラウンド

7月22日-23日 二次ラウンド

7月26日 ファイナル