現在の国内企業を取り巻く外部環境は複雑さを増しています。
国内外の財政や政情不安、天災による悪影響、国際競争の激化、少子高齢化による国力低下等、不安要素をあげれば限りがありません。
経営者にとっては、先行きの見通しがきかず、自分ではコントロールできない外部環境の影響を大きく受ける時代となっています。
かつてこれ程までに、経営の舵取りが難しい時代は無かったのではないでしょうか。
しかし、経営者がその気になれば、外部環境に影響を受けることがあっても支配されない経営を実現することは可能です。
外部環境をコントロールすることはできなくとも、外部環境に影響を与え、変化させることはできるからです。
開かれた意志で自らの未来を創造し、外部環境に支配されない経営を実現することができるです。
そして、そのような経営を実現する在り方が「創造思考型経営」です。
創造思考型経営は、ユーザーや顧客の真のニーズは何かを常に考え探索しながら進む経営スタイルです。
複雑で変化の激しい時代においては、ユーザーや顧客が自分のニーズを正しく理解しているとは限りません。
求められるがままに、顕在的なニーズを満足させる製品やサービスを提供しても、それが相手の役に立つとは限らないのです。
言われるがままに製品やサービスを提供してさえいれば、当面の売り上げや利益を確保することはできるかもしれませんが、いずれ衰退に向かうことになります。
創造思考型経営においては「深く聴く、深く観る、深く考える、深く対話する」ことで潜在的なニーズを見つけ出し、より付加価値の高い製品やサービスを提供することを目指します。
創造思考型経営は、顧客や仲間との生成的な対話を通じて、ダイナミックに製品やサービスを生み出していく経営スタイルです。
アイデアを生み出すには、優秀な一人の頭脳から沈思黙考と醸成により生み出す方法と、複数の人々が集まっての対話等によりワイワイガヤガヤと生み出す方法があります。
創造思考型経営においては、チームの頭脳を集めてアイデアを生み出す方法を主に用います。
他者との会話を通じてひらめきを生み出し、そのアイデアを皆で発展改良することでよりチームとしての創造性を向上させます。
また、そのアイデアを自分たちのアイデアとすることでモチベーションを高め実現力を向上させます。
創造思考型経営は、人間中心の経営スタイルです。
提供する製品やサービスは、機能中心ではなく、人間中心の視点で生み出します。
その製品やサービスによってユーザや顧客の生活や仕事がどう変わるのかを考えます。
デザインするのは製品やサービスではなく、どのような変化を起こすかということです。
相手に共感することと観察することで未来を洞察し、ユーザーや顧客に感動を与えることを目的とします。
創造思考型経営は、全体システムからのアプローチを行います。
現代社会は、あらゆる要素が有機的に関係しあって複雑なシステムを形成しています。
たとえ小さな規模であっても、自分たちの活動や生み出した成果物が、社会全体や未来に大きな影響を及ぼす可能性があります。
創造思考型経営においては、全体システムに中で、自らが及ぼす影響を意識をはらい、より全体的な視点で物事を観ること心がけます。
そのために、異なる視点に立つことや異なる意見と対話することを大切にします。
創造思考型経営は、自分自身の常識やパターン等を常に見直す経営スタイルです。
人間には無限の可能性がありますが、その潜在能力を発揮させることは容易ではありません。
なぜなら、我々の中にある
「思い込み」
「間違った前提条件」
「役に立たなくなっているルールやノウハウ」
「染みついてしまった考え方や生き方のクセ」
等が、それを妨げるからです。
創造思考型経営においては、深い内省を習慣化し、このような「手放すべき過去の何か」に気づくことで「未来を拓く新しい何か」を迎え入れます。
創造思考型経営は、変化に対する迅速で柔軟な対応を重視する経営スタイルです。
現代は何が正解かわからない時代です。
中長期的なゴールや経営計画を策定しても、世の中の変化にあわなくなってしまいます。
また硬直化したゴールや計画に縛られることで創造性が発揮できなくなってしまう危険性があります。
創造思考型経営におけるゴールには適度な曖昧さがあり、ゴール自体を探索しながら進みます。
仮説と検証を繰り返し、状況に応じてゴールを変更します。
経営目標は、ノルマとしてではなく、チャレンジ精神と創造性を発揮させるための手段として設定します。
創造思考型経営は、他者とのコラボレーションを重要視するオープンな経営スタイルです。
自分たちが保有する資源だけで何かを成し遂げようとする閉じた経営ではなく、世の中にある多くの資源や才能との協働で価値を生み出すことを身上とします。
オープンなコミュニティや場への参加を通じて新たなテーマを発見し、そのテーマを進めるためのプロジェクトを創造します。
創造思考型経営は、ポジティビティ(自己肯定的な心の状態)が持つ力を重視する経営スタイルです。
人間の創造性は、「愛、喜び、愉快、誇り、感謝、興味、希望」といったポジティブ感情から生まれます。
ポジティビティが高い職場やプロジェクトからは、高い価値を生み出す創造性が発揮されます。
創造思考型経営においては、職場やプロジェクトにポジティビティ生み出すためのさまざな工夫や施策を講じます。