不貞の季節(2000年Y・F・C・大洋図書・ボノボ) | 映画バカ一代~観らずに死ねるか~

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映画に関する想いのたけをぶちまけますね。辛口で行きます。たまに甘くなりますが。

SM小説の弧高の巨星団鬼六の艶笑小説の映画化。

男性にとって大いなるエロスの要因に寝取られがある。

正にこの作品は『寝取られ』がテーマである。

男女の闇は深い。そう実感させられる作品であった。

 

 

 

 

 

 

 

あらすじ

今から20年前、小説家の黒崎(大杉連)はSM小説を書くために

編集者の川田(村上淳)にモデルの女性京子を呪縛させてSMプレイを楽しみながら

執筆していた。そんな黒岩に妻の静子(星瑤子)は愛想を尽かして夜の相手を断る。

実は静子は川田と不倫をしていたのであった。川田から告白された黒岩は川田を許し

その代わり静子とのプレイを逐一報告するように命じるが…

 

 

 

 

 

重要な点

団鬼六はSM小説を書いていながらSMの趣味があったわけではなく

生活の手段としてSM小説を書いていたとのこと。

この作品の主役黒岩同様にも観念だけの男と言う事実は興味深い。

監督はエロスや恋愛ものを取らせた上手い廣木隆一。

今作でも廣木なりのエロス感を上手く演出している。

言わば大人のエロスと言うべきか?

 

良かった点

主演の大杉連はやはり素晴らしい役者だ。亡くなれたのが本当に惜しまれる。

静子を演じる星瑤子も美しい姿態を披露しているが

寝取られ感(つまり想像させる)を出すため実際の絡みはない。

しかしそれはかなり効果的な演出だ。

とくにラストのセリフは素晴らしかった。

 

悪かった点

大人の恋(不貞)がテーマなので、ある意味、恋愛や結婚などの経験者には

相当にリアルに感じる演出だろう。全てをさらけ出すよりも想像させる。

また夫にときめかなくなった妻の不貞・不倫をどう判断するか

これは人類の永遠のテーマかもしれない。