東映のエログロ路線、日活のロマンポルノは
レンタルビデオの勃興で80年代中盤から終焉期を迎えていた。
大奥モノを得意とした東映と日活の最後の集大成とも言うべき
作品が今作であろう。1982年『鬼龍院花子の生涯』(五社英雄監督)
で夏目雅子が身体を張って大ヒットを飛ばして以降、
言葉は悪いが東映は看板女優を次々と脱がせて話題性を保っていたが
今作でもアイドル歌手出身の辻沢杏子と野村真美が身体を張っている。
あらすじ
江戸初期。4代将軍家綱(あおい輝彦)は鷹狩りの最中に農家の娘おなつ(伊織祐未)
に手を付ける。おなつは大奥に召し上げられ御手付き中臈となった。そんな折り
御手付き中臈のおみの(山本奈津子)が妊娠し、世継ぎのいなかった家綱は喜ぶが
おみのを孕ませたのは寺に名代として参拝した時にそこの坊主に犯されたためであった。
事が露見し、おみのは拷問に掛けられる。元々おみのの代わりに参拝するはずであった
おすみ(辻沢杏子)は事件の裏に姉小路の局(新藤恵美)の陰謀を知り、大奥を逃げ出す。
お末女中よしの(野村真美)の助成で江戸城から脱出したおすみは幼馴染の医師である
中条源四郎(勝野洋)のもとに転がり込むが…
重要な点
監督は鈴木則文。東映のエースで石井輝男の流れを汲んで破天荒な
エログロやアクションを得意とする。大奥ものでもしっかりヌードが
ありながらもカラッとしたアクションを取り入れ時代劇としても成立
させているのは流石だ。
良かった点
前半のメインは将軍家綱で後半は源四郎になる展開も面白い
主演の辻沢杏子の美しさは目を引く。ヌードも素晴らしかった。
また『渡る世間は鬼ばかり』にも出ている野村真美が美しい
姿態を披露しており、こちらも華があった。
悪かった点
大奥ものらしく百花繚乱と言わんばかりに東映と日活の女優が
美しいヌードや絡みをたっぷり披露しておりその点でも
集大成にふさわしい作品となっている。