やくざと抗争 実録安藤組(1973年東映) | 映画バカ一代~観らずに死ねるか~

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映画に関する想いのたけをぶちまけますね。辛口で行きます。たまに甘くなりますが。

安藤昇の自伝『やくざと抗争』の第2弾。

1作目は原作も元にした架空の物語だが

2作目はドキュメンタリータッチで

『仁義なき戦い』シリーズと並ぶ実録やくざ映画。

主演は安藤昇自身が務めていて安藤組結成まで

をテンポよく描いている。

 

 

 

 

あらすじ

学生の矢頭(安藤昇)は学生だが仲間とともに渋谷では愚連隊として

一大勢力を誇っていた。ある日銀座から来たやくざドス健(山本麟一)

とタイマン勝負をする。ドス健を倒した矢頭は銀座を歩いている

時にドス健の汚い罠にかかり、顔に大きな傷を負う。

傷がいえた矢頭はドス健を始末するが、そのことにより、

他の暴力団から目を付けられ、組の勢力下に組み入られようと

するのだが矢頭はそれを逆手にとって勢力を拡大させていく…

 

 

 

 

重要な点

深作欣二監督の『仁義なき戦い』は傑作だが

ダメな親分のために子分が苦労するというテーマがある。

こちらは親分(リーダー)が優秀で頭が切れるので

小が大を食う戦略でのし上がっていく様は凄まじい。

主演は本人で痺れるようなオーラがあるだけに

何とも痛快な作品となっている。監督は東映のエース

佐藤純彌監督。テンポよくスリリングな抗争をリアルに

演出する手腕は流石だ。

 

良かった点

安藤昇という俳優は端正な顔立ちと見事な所作もあって

存在感と男の色気が半端ない。

女性にもモテたのだろう。

実録やくざ映画にしては珍しく江守徹が出演していい味だしている

のは流石だ。他の愚連隊(のちの安藤組)のメンバー役の

俳優もいい役者が多数出演。佐藤蛾次郎も良かった。

 

悪かった点

相手役の俳優も東映の名悪役揃い。

素晴らしいスタッフに痺れまくりだ。

安藤の後見人の丹波哲郎は流石の重鎮ぶり。

ラストまで一気に魅せる構成は名優たちの

饗宴のなせる技か。