『緋牡丹博徒』シリーズで有名な藤純子の初主演作。
それだけでもびっくりなのに
出演者は豪華なのが凄い。
藤純子、三田佳子、大原麗子、若山富三郎、津川雅彦
樹木希林(悠木千帆)、沢村貞子、蘆屋雁之助、ミヤコ蝶々
丹阿弥谷津子等々、主役クラスも多数出演している。
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あらすじ
琳光寺の尼僧浄真(藤純子)は門跡尼である秀英(三田佳子)に
執事として仕えている。琳光寺の本堂の再建のお願いに行く浄真は
本寺の宗務総長である覚全(若山富三郎)に手籠めにされてしまう。
お金は出してもらえず、寺男キク(津川雅彦)を世話してもらう浄真。
キクは下働きのはな(大原麗子)と関係を持ってしまうが、
キクは浄真に惹かれていた。
重要な点
東映の社長岡田茂は当時からエロス路線を推し進めていて、
今作も『出演女優陣を脱がせろ。』とハッパを掛けていたが
流石に中島貞夫監督も東映の俊藤プロデューサーの娘である藤純子を
脱がせるわけにはいかず文芸作品のような仕上がりになった。
しかも誰も脱いでいない。中島監督は板挟みで大変だったとのこと
しかし今改めて観てみると意外と面白いし、
女優陣は素晴らしく美しい。さすが中島貞夫監督である。
良かった点
若山富三郎の演じる覚全のギラギラした悪僧ぶりがド迫力。
また三田佳子の門跡尼ぷりも斬新だ。
大原麗子もまだ少女らしさが抜けていないが
キクに迫るシーンなど見どころは多い。
主演の藤純子の苦悩の演技は色気があり、素晴らしい。
悪かった点
ストーリーは水上勉+チャタレイ夫人みたいな
話ではあるが、女優陣の頑張りで迫力がある映像になった。
しかしタイトルほどのエロスが感じられないのは否めない。
今作はヒットしなかったため藤純子の次回作が『緋牡丹博徒』
になったというのは興味深い話である。