尼寺㊙物語(1968年東映) | 映画バカ一代~観らずに死ねるか~

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映画に関する想いのたけをぶちまけますね。辛口で行きます。たまに甘くなりますが。

『緋牡丹博徒』シリーズで有名な藤純子の初主演作。

それだけでもびっくりなのに

出演者は豪華なのが凄い。

藤純子、三田佳子、大原麗子、若山富三郎、津川雅彦

樹木希林(悠木千帆)、沢村貞子、蘆屋雁之助、ミヤコ蝶々

丹阿弥谷津子等々、主役クラスも多数出演している。

 

 

 

 

あらすじ

琳光寺の尼僧浄真(藤純子)は門跡尼である秀英(三田佳子)に

執事として仕えている。琳光寺の本堂の再建のお願いに行く浄真は

本寺の宗務総長である覚全(若山富三郎)に手籠めにされてしまう。

お金は出してもらえず、寺男キク(津川雅彦)を世話してもらう浄真。

キクは下働きのはな(大原麗子)と関係を持ってしまうが、

キクは浄真に惹かれていた。

 

 

 

重要な点

東映の社長岡田茂は当時からエロス路線を推し進めていて、

今作も『出演女優陣を脱がせろ。』とハッパを掛けていたが

流石に中島貞夫監督も東映の俊藤プロデューサーの娘である藤純子を

脱がせるわけにはいかず文芸作品のような仕上がりになった。

しかも誰も脱いでいない。中島監督は板挟みで大変だったとのこと

しかし今改めて観てみると意外と面白いし、

女優陣は素晴らしく美しい。さすが中島貞夫監督である。

 

良かった点

若山富三郎の演じる覚全のギラギラした悪僧ぶりがド迫力。

また三田佳子の門跡尼ぷりも斬新だ。

大原麗子もまだ少女らしさが抜けていないが

キクに迫るシーンなど見どころは多い。

主演の藤純子の苦悩の演技は色気があり、素晴らしい。

 

悪かった点

ストーリーは水上勉+チャタレイ夫人みたいな

話ではあるが、女優陣の頑張りで迫力がある映像になった。

しかしタイトルほどのエロスが感じられないのは否めない。

今作はヒットしなかったため藤純子の次回作が『緋牡丹博徒』

になったというのは興味深い話である。