沙耶のいる透視図(1986年プルミエインターナショナル) | 映画バカ一代~観らずに死ねるか~

映画バカ一代~観らずに死ねるか~

映画に関する想いのたけをぶちまけますね。辛口で行きます。たまに甘くなりますが。

『沙耶のいる透視図』は伊達一行が1983年にすばる文学賞を受賞した小説

の映画化で同年の製作された映画(諸事情で公開は1986年)である。

監督は相棒シリーズで有名な和泉聖治、脚本は石井隆が担当している。

女優高樹沙耶のデビュー作としても有名である。

 

 

 

 

あらすじ

カメラマンの橋口(名高達郎)はビニ本のカメラマンをしている。

編集者の神崎(土屋昌己)とはウマが合い助手の島(山田辰夫)と

チームで仕事をしている。ある日神崎から沙耶(高樹沙耶)という女性を

紹介される。ビニ本のモデルの勘違いした橋口は沙耶をホテルに誘い、

粗雑に扱うが沙耶は相手にせずに帰ってしまう。翌日沙耶の忘れたノートを口実に

橋口は沙耶を誘うが沙耶は乗ってこない。やがて沙耶から誘いがあり

橋口は沙耶と付き合うようになるが、沙耶と神崎には橋口の知らない過去の経緯があった。

仕事とプライベートを絡めた奇妙な三角関係は続くが、

やがてやばい仕事(裏本)に手を出した神崎が警察に捕まると三人の関係に変化が訪れる。

 

重要な点

以前観た時は高樹沙耶の美しいヌードに息を呑んだが、

土屋昌已の透明な存在感が印象に残った。この頃一風堂で

ブレイクしてやがて英国のROCKBAND『JAPAN』とツアーを成し遂げる

土屋氏は凄腕のミュージシャンであり、アーチストでもある。

演技者としての土屋も素晴らしい表現者であった。(デビットボウイに似ているし。)

 

良かった点

高樹沙耶の瑞々しい演技は素晴らしかった。同時期に柴田恭平主演の『チンピラ』

にも出演していて公開が先になってしまったのでそちらがデビュー作とされているが

この作品が女優高樹沙耶の原点と言っても過言ではないだろう。

今は沖縄に移住して演技の仕事から離れておられる様だが、

まだまだ女優としてひと花咲かせて欲しいものだ。

 

悪かった点

主人公の橋口を演じる名高達郎も当時はまだ若手で、高樹沙耶の話によれば

和泉聖治監督と相談しながら役どころを作り上げていったとのこと。

名高達郎はハングマンで活躍したイメージが強かったのでこの

奔放で自分勝手だが優しい橋口役は意外だが、結果的にはいい仕事そしていると感じられた。