内田裕也が俳優として意欲作に取り組んでいた時期の作品。
『水のないプール』『十階のモスキート』『コミック雑誌なんていらない』等に
続いての主演作品である。
あらすじ
東京都知事選挙に立候補した後、海外に出て、帰ってきたYUYA(内田裕也)
はかつての仲間でレコード会社の会長のNAKNE(鹿内孝)に
クルド人の音楽をCD化できないか依頼するがNAKNEはプロデューサーの
FUKUDA(尾藤イサオ)に判断をまかせるという。YUYAはオートレース場で
不思議な男KENJI(本木雅弘)と出会い、KENJIの住む謎の場所に転がり込む。
やがてFUKUDAからクルド人への支援は無理と断られる。
NAKANEがYUYAの昔の恋人ASAMI(高沢順子)と再会し、
ASAMIがシャブ中毒でNAKANEに食い物にされていることを知るとYUYAの
怒りが爆発する。
重要な点
監督は作曲家・ミュージシャンで俳優の宇崎竜童。
音楽は大野克夫。脚本は内田裕也が担当している。
宇崎監督の演出は意外に手堅いがややテンポが遅い。
ラストの軍艦島での爆破シーンは凄かった。
今では絶対管変えられない貴重な映像。
音楽は歌ものは抑えられ、効果的なBGMがセンスよく使われている。
何よりもパンチで皮肉に聞いたセリフがどんどん出てくるのが凄い。
またミュージシャンだけなく多彩な文化人や芸人、俳優がカメオ出演している。
良かった点
前半の選挙戦のくだりセリフの毒にやられてしまう。
そしてスクリーンから思わぬ大物が登場するのも面白い
悪かった点
テンポが今一つでやや中だるみがあること
女優が高沢順子が孤軍奮闘してるがもう少し
華が欲しかった。その分もッくんがとても良かった。