『野蛮人のように』(1985年東映) | 映画バカ一代~観らずに死ねるか~

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映画に関する想いのたけをぶちまけますね。辛口で行きます。たまに甘くなりますが。

角川春樹事務所から独立しての薬師丸ひろ子の第一作目。

監督は松田優作の推薦で川島透。

製作は東映だが東映セントラル色が強い。

興行収益も14億円とヒットした作品。

海辺の家での花火が印象的だ。

 

 

 

 

あらすじ

15歳でデビューした女流作家の珠子(薬師丸ひろ子)は海辺の家に

住んでいる。友人たちとの語らいに飽きた珠子は都心へと車を走らす。

その頃チンピラの英二(柴田恭平)は兄貴分の滝口から呼び出され、

組長が殺され、その死体のよこにあった拳銃を預かる。

滝口が組長を殺したのだが、たまたま滝口が付いた嘘の娼婦の

姿と珠子の服装が同じだったことから、偶然に出会ってしまった英二と珠子の二人は

組織に追われることになる。

 

重要な点

川島透監督・脚本。川島監督は『竜二』『チ・ン・ピ・ラ』という傑作を

世に送り出しているが、この作品でも確信的に、

アイドルの薬師丸ひろ子と東映ヤクザ映画のコラボを、

ユーモアとオシャレな映像で、ファンダジー風の作品に仕上げている。

それでいて映像のクオリティは高い。

前半の六本木パートで盛り上げて、海岸の家でのラストに

引っ張る構成も巧みだ。

 

良かった点

独立1作目ということもあり、主演の薬師丸ひろ子は自由奔放に演技し、

スクリーン一杯に存在感を増している。

相手役の柴田恭平は安定のうまさ。監督が創作したファンタジーな世界観に

根拠を与えている。

 

悪かった点

細かいところだが、ストーリー的には破綻していて、

『この後、二人は警察や消防に怒られるだろうな?』など

と野暮なことを考えてしまった。

よく考えたら、おしゃれな川島版の『わらの犬』だ。(笑)