カポネ大いに泣く(1985年ケイエンタープライズ) | 映画バカ一代~観らずに死ねるか~

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映画に関する想いのたけをぶちまけますね。辛口で行きます。たまに甘くなりますが。

鈴木清順監督の映画はあまり見ていないが、ルパン三世PART2の監修

をしたことは有名。たしかにルパン三世PART2は後世に残るアニメだ。

『ツィゴイネルワイゼン』(1980年)『陽炎座』(1981年)の評価が高いが

まだ見てはいない。俳優としても映画やドラマに多数出演していたのは憶えている。

『カポネ大いに泣く』は『陽炎座』の後、4年後の作品。

 

 

 

 

 

あらすじ

旅回りの役者順乃助(萩原健一)は浪曲師になるために入門して、

桃中軒海右衛門となるが、芸者の小染(田中裕子)と深い仲になるが

小染の旦那久兵衛久兵衛(梅宮辰夫)が刑務所から出所してきたことから

二人は駆け落ち同然にアメリカに渡る。そこは口入屋にだまされて

来たのであった。海右衛門は乞食に、小染は女郎になるが

そこで知り合ったガン鉄(沢田研二)と不思議な関係になりながら

アメリカで一旗あげようと奮闘していく。

 

重要な点

鈴木清順監督はテンポよく話を進めながら、演奏シーン等も

しっかり盛り込んで愉快な映像を構築している。浪曲と

ブルースの合体の演奏シーンは素晴らしく、もう少し長く観たかった。

萩原健一、沢田研二、そして田中裕子。田中裕子の演技は圧倒的で

これほど自分の肉体を使って多彩な表現ができる女優はそういない。

声色や表情も使い分け、しかも自然にやれる。

三味線を弾くシーン、カポネに啖呵を切るシーンなど見どころが多い。

 

良かった点

ショーケンとジュリーの共演はある意味凄いことなのでしょうね。

どちらも歌手、俳優としても凄い才能がある二人。

その二人を映像に取り込むのは名匠鈴木清順監督。

その映像美学は幻想的なシーンも多く、独創的な世界観を構築している。

 

悪かった点

130分はやや長い気がする。テンポは良いがメリーゴーランドのように

ドンドン話が進んでいくので、『どこまでいくのだろうか?』

と置いていかれそうになったのも事実。
田中裕子さんが後半出番が少ないためかもしれない。