JOKER 疫病神(1998年ギャガ・コミュニケーションズ) | 映画バカ一代~観らずに死ねるか~

映画バカ一代~観らずに死ねるか~

映画に関する想いのたけをぶちまけますね。辛口で行きます。たまに甘くなりますが。

萩原健一という俳優は山あり谷ありの人生。名優にしてトラブルメーカー。

キャスティングする側も気を使ったのではないか?

2004年の映画降板の恐喝騒動を覚えている方も多いと思う。

長い俳優生活の中でも1990年代は映画とTVドラマでかなり活躍していて

傑作『いつかギラギラする日』や『居酒屋ゆうれい』、TVでは『課長さんの厄年』など、

傑作に精力的に出演している。この作品もその頃の作品である。

 

 

 

あらすじ

金町恒産のチンピラヒロシ(渡部篤郎)は池袋で対立する組の大石翠会の久夫(北村一輝)

とは少年鑑別所以来の友達。金町恒産の村越(萩原健一)が7年振りに出所することになり、

ヒロシは専務の新良(萩原流行)から村越の運転手を命じられるが村越に組に戻る気はない

と話す。村越が昔の抗争のいきさつから翠会の黒川(菅田俊)に命を狙われるが、

村越はヒロシを盾にして黒川を追い払う。翠会に乗り込み、引退する旨を話した村越は

東京を離れた。村越の引退を信じない両組織の幹部たちの中で、村越の存在が

収まっていた抗争に再び火が付こうとしていた。

 

重要な点

主役は渡部篤郎でショーケンは途中出番が少ない。

90年代から今も活躍しているいい俳優が多数出演。渡部篤郎、北村一輝、宇梶剛士。

また脇役も本田博太郎や菅田俊、萩原流行、などいい役者さんが多数出演。

キャスティングは素晴らしい。

 

良かった点

ラストの劇場のシーンは長丁場で面白かった。タランティーノの『レザボアドッグ』を思わせる

撃ち合い(隠れずそのまま立って撃ち合う)は観ているのは爽快だが実際の撃ち合いでは

自分ならばやりたくない。女優は片岡礼子と青山知可子の二人は綺麗だが薄幸でした。

中山麻理は必要なかった気がする。

 

悪かった点

面白い作品だが、脚本が大学生レベル。命のやり取りをするやくざにしては

リアリズムがない。同じキャストで深作監督・笠原和夫脚本で撮ったらかなり傑作が出来そう。

ラストのナレーションなども『仁義なき戦い』をリスペクトしてることが理解できるが

実際の組織はそんなに甘くないし、伏線の張り方もあったはず。

90年代バブルの悪影響か。まあ東映製作じやないので無理も言えない。