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キセキ

海/賊/王の腐った御話です

ぼんやりと眺める景色は、海しかない


もぅこういう生活は何年もしてきてて、今更な感じもする


ただ、違うのは、ここはレストランでは無いという事







夕焼けに染まる様に、少しオレンジになって紫煙は昇って行く



今日も無事に、食べる事に困らずに1日が過ぎてく

穏やかな日…



ほっと胸をなでおろす瞬間かな?


手すりにもたれながら、沈みゆく太陽を遠くにみつつ、キラキラとオレンジにきらめく水面を眺めてた






気づいてしまった自分の気持ちに、どう接していいのか判らなくて、まだ正直整理はついてない

けど…


それでも毎日は過ぎてく…



気づいてしまったからには、この気持ちとも向き合っていかないといけないよな…


「はぁ…」




どこがいいんだろな…

大体にして…

女の子みたいに柔らかくないし

ごつごつしてるし

無愛想だし

有るのは筋肉だけだし

迷子にすぐなるし

逢ったら喧嘩ばっかりになるし…




……………







……。



けど、やっぱり頼りになる…よな…



締める所はちゃんとしめてくれてるし、船長(ルフィ)があんな感じだから、アイツが居る事でピリッとしてるし…


アイツはアイツなりの夢の元、武士道貫いてるしな…





「サンジーー、なんか美味しい飲み物ぉおぉ」


キィっとドアが開くと、中からゼェゼェ言ってチョッパーが顔を出した


「どした?」


振りかえり、チョッパーの姿を観て小さく笑うと、煙草を消して携帯灰皿にしまいこむ


「研究疲れたぁー」


チョッパーはそのままペタリとその場に座り込む


「馬鹿に効く薬って出来るのかなぁぁ?」


そう嘆きながら、そのまま床に倒れこんだ


「あはは、それは結構難しい問題だな」


苦笑い浮かべて、そう返しながらも、内心ドキッとした


最近チョッパーとの会話でアイツが出てき過ぎてる

チョッパーとの会話は何かとアイツを意識させる事が多い気がした



「すりおろしりんごジュースでも良ければ、今作れるけど?」


冷蔵庫を覗き込みながら、そう伝えると、チョッパーは飛び起きて「やったー」と、すぐにキッチンに入ってきた




このまま、穏やかな空気が流れていけば、俺もいつか忘れる事が出来るのかな?


どうだろうか?





゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

ツイッター始めました

@siki_bl_op

です

良ければフォロー宜しくです♪

どうも、御無沙汰しています


もぅかれこれ半年位放置した上に、作品開始から1年がたってしまいました

本当にすみません;

こんなブログにアクセスして下さってる方が数名いらっしゃる状況をずっと改善しないとなーと思いつつ、忙しさにかまけておりました;


まぁ、これをツイッターのブログ更新自動UPに上げてますんで、見たくない人はこのブログで終わっておくことをお勧めします


ってか、別のツイッターを作ろうか迷い中w

アカウント別に作ろうかな?

そしたら、一般の方も見なくていいですもんね


そして、この作品は別HNで作ってますしね;

大体にして2次元をやっちゃってますからねw


以前まで三次元で作品を作っていた訳ですが(笑)それも結構中途半端に放置されております

さすがにもぅ、ちょっと3次元は厳しくなってきました(笑)

その人達と触れあってないのでネタもない訳ですね、はい;


そして、今はまりにハマってる作品でこれまた妄想もいいところです(笑)

本当に「腐れ女子」ですみませんあせる

でも、あんまりリアルな表現は得意ではないので、まじで妄想と心理状態の駆け引きが多いです

そんなのでもやっぱりきつい方はきついと想うので、許せない方は回れ右でお願いします!



「Z×S」


ですよ、ええ、そうです(´-┃

それしかないです汗


しかも、超のろま更新です、そうですよ、ええDASH!


なんだったらこんな「腐れ女子」のコミュニティ迄作ってしまってますからw

生放送1回しかしてないのに、何故かコミュメンバーが5人居ますからw

恐るべし!


またまたのろのろ運転ではありますが、最近なんか妄想したいなーって思う様になったので、また作品を上げていこうかと思っております


そういう意味でツイッターにて自動更新に登録しましたので、こちらでブログが上がる度にツイートされます



『こんな腐れ女子とは付き合いきれねーよ!ばーか!』


って方はフォロー辞めてもらってOKですので


ってか、やっぱりもう1個アカウント作ろうかなー

その方が早い気がするのです、はい


まぁ、なんしか、上げて行きますので、お嫌いな方はスルーでお願いします

「……一個、聞いていいか……?」


「……」



淋しいって感情なんて、何年も忘れてた

いつも回りに人が居て、そして自分は家族の顔も覚えていない

クソジジィがやバラティエの皆が居る事が当たり前で、今はこの一味が毎日傍に居る事が当たり前で…


いつも賑やかで、いつも誰かと言い合ってて…

いつも忙しくて、いつも満たされてて…



夕焼けの海を観ても、夜空を観ても…

ここ何年か「淋しい」なんて思った事も無かった


それよりも、毎日に感謝してた

今日も一日「食べられた」事に感謝する事の方が多かった気がする…


こんな毎日でも、俺的には「満たされてた」んだって、今、気づく…



毎日あると見えない事って多いけど、自分の感情も、本当はそうなのかもしれないな…


自分自身に一番鈍感なのかもしれない


今ルフィに言われるまで「淋しい」なんて感情、気づかなかった…





誰かを「嫌い」「苦手」って感じる事は一番早く感じるのに…

何故「好き」って気持ちは気づきにくいんだろう…


別に恥ずかしい事でも、ダメな事でもないのに…


いつからか、気になって…

それでいて、心を占領してく…

心の半分以上を占領された頃に初めて「好きかもしれない」って気づく…





「…」


どう音にするべきか、悩んだけど、それはもぅ無駄な気もした


今更包んでしまって、本当の意味が通じないのなら、包んでしまう意味がないから…




カタン…



包丁を近くに置くと、ゆっくりとルフィの方へ振り返った


ルフィは相変わらず帽子を深くかぶったまま、俺を観ようともしなかったけど、それはそれで少しだけ救われた気がした






「……、…アイツと、ルフィって……どう、いう、関係…?」



精一杯の声で音にしてみる


心臓が痛い…


心か心臓かわかんない場所がギュッって締め付けられる様に痛くって、ルフィからの音を待ってる間に、どんどんと

「聞かなきゃよかった」

って気持ちが膨らんでいく


本当は聞かないと判らない事なのに…


聞いたら聞いたで怖い…

痛い…



どれ位の時間だったんだろう?

とても長く感じた無音の後、ルフィはゆっくりと帽子を上げて、俺を観ると


「この間…観た、でしょ…?」


「!!!!」


「………それが…真実……」



俺を真っ直ぐに観たまま、意思の強い言葉を俺に投げつけると、そのまままた深く帽子をかぶった


そして、それ以上は音にしなかった…


(痛ぇぇ!)


ぎゅぅぅぅぅっ!、て締め付けられる感触に耐えれなかった


心臓辺りが痛いのが判る…


聞いてしまった事への後悔と、真実を観た事…

それから…


自分の気持ちを確定させてしまった事…




怖かった…

それに、判ってた…



この痛みは何か…





俺…


アイツの事、好きなんだ…










この間だって、本当は謝ってほしかったんじゃない

求めてほしかった…


今だって、本当はルフィに否定してほしかった


チョッパーが言ってた言葉を真実にしたかった…


それなのに…


アイツとの間に有るものはドンドン細くなっていって、遠い存在になる…



遊びとか、嘘とか…

そんな風に割り切れる程、俺もオトナじゃないと改めて気付かされる…






「……そっか……」

少し震える手をぎゅっと握りしめると、また元通り料理の準備を始める

精一杯の気持ちで答えた音も、ルフィの元へとちゃんと届いていたのか定かではなかった…









タイミングってやつは神出鬼没…

後で気づいたって、意味はないんだ…


それもまた「運命」?


「……」


静かな空気が船室の中を占めていた


先週、甲板でアイツとルフィのやり取りを背中ごしに聞いてから、二人の様子が少しおかしい気がする


やっぱりあの二人にも何かあったんだろう…

以前ほどベタベタしていないというか、どこかよそよそしいというか…

なんだか歯がゆい空気が流れていた



そして…


あれから、初めてのルフィと二人での見張り当番

皆はそれぞれに新しく着いた島へと出かけていった



何故この二人だったかというと…

俺は昨日のうちに買いだしを済ませてしまった事

ルフィはくじ引きで船の見張り番に当たってしまった事から、それぞれ残る事になった



いつもなら、真っ先に船から飛び出すルフィが、珍しくクジ通りに船に残った事も意外だったけど、ずっとキッチンというか、ダイニングというか…


黙ったまま、椅子に座っている事にもびっくりした



「……」


そして、現在、とても静かすぎる空気がここを埋め尽くしていた



俺はルフィに背中を向けながら、今夜の料理を準備していた





正直に言うと、気持ちはグチャグチャだった


突然のキスから始まった関係に、はっきりしない態度…

そして、それに悩む自分…

意識してる事…


日が経つにつれて見えてくる感情が怖くて、確認したくなくて…


変な距離感持って、避け気味で…



そんな事に正しい結果なんてあり得ないのに…


判ってるけど、自分の気持ちを自覚するのが怖くて踏み出せないでいた






本当は………














「なぁ…サンジ…」


「ん?」



どれ位無言だっただろうか?


不意に無音を突き破ったのはルフィの声だった、


「ヒトって、なんで淋しくなるんだろうな…」


「え?」


ルフィからの言葉は、余りにも意外な言葉で、それはとても予想出来ない言葉だった




「なんか…あったのか…?」


とっさに振りかえったけど、ルフィは深く帽子をかぶっていて表情は見えなかった


視線が絡まなくて良かった、と内心ほっとしながら、体を向き直すと、手元に視線を落としながら、ぽつり言葉を紡いだ



(この間、アイツともめてた事が影響してるのかな?)


なんとなくそう想いながら、作業を進めるけど、ルフィからの返事は何もなかった





この船は居心地がいいから、忘れてしまうけど…

淋しいって、なんであるんだろうな

ずっと満たされた気持ちだったら、醜い争いだって、心の病だって起こらないのに…


でも、満たされたままだと「幸せ」を感じにくくなる…


人間ってなんでこんなに不器用なのに、繊細に作られてるんだろう?


地球という星を支配してしまったから、支配の変わりに感情が作られてしまったのかなぁ?とたまに思う


「気持ち」が無かったら、きっともっとどうでもいい感じに毎日が生活出来るのに…


「気持ち」があるから、毎日毎日一喜一憂してしまう…


……。


それって、幸せな事だけど、残酷な事だと想う

今日も、グランドラインは穏やかです…



昼飯も終わって、ちょっと夕方の色が出てきた頃

ナミさんに

「ログもたまったし、次の島に向かって明日出航よ」

と言われた


結構この島には滞在したな

1週間位か?

こんな長期滞在は珍しい


夕方の潮風を浴びながら、芝生のデッキで寝そべっていると、誰かが出てきた音がした


カツカツ響く音で誰が出てきたか判る様になった


アイツだ…


こうも長く生活していたら、判ってしまうんだな


心が少しざわめくのが判る

あれから、触れない様に、成るべく関わらない様にしてた

幸い、もともと仲が良くない感じだった事から回りにはいつもの事の様に見えていた様で、不信がられたりはしなかった



アイツの後を追う様にドアの開く音がする


「なぁ、ゾロ!」


後を追いかけてきたのはルフィだった



ごろりと寝返りを打って、あいつらから表情を読み取られない様に背を向けた



「んだよ」


「いいのか?」


「……」


「俺は全然いいぞ」


「……」


「ゾロは大丈夫なのか?」


「…」




少しもめてる?

二人の間の微妙な空気…

何が「いい」んだろうか?

アイツは大丈夫じゃないのか?


寝た振りをしながらも、聞き耳だけはしっかりたてちゃって、俺ってなんなんだろ



「なぁ、ゾロ!」


「…いいんだよ、これは俺が決めた事だ」


「…」



それ以上の会話はされなかった


アイツはそのまま、またトレーニングルームに向かう様に足音が遠のいていった

ルフィも暫くそこに居た様だったけど、その後また部屋へと戻っていった



なんだか雲ゆきが妖しい?


あいつは何を決めたんだろう…

何を決意した…?

ルフィはそれをいい様には想っていないのか?


何があったんだろ?





「………」


こんな風に気にしてる俺、バカみたいだな…


「あぁ…胸糞わるい…」



ポツリ呟くと、今日何度めだろう?

点けた煙草をまた荒く灰皿に押しつけて、もみ消す


何をしていても、落ち着かない


ずっとイラライしてるのが、自分でもわかる


何にイライラしてるのか、それが自分でも判らないから厄介だ




「サンジ君…ニンジンが…」



ナミさんに声を掛けられて、ふと手元を観ると、皮むきをしていたニンジンは物凄く細くなっていた



「あれ?俺何してた?」


「ちょっと、ちょっと、大丈夫?」


手元にあるニンジンの姿にびっくりして、回りを見渡すと、長く連なったニンジンが薄く剥かれてくだをまいていた


「サンジ君、体調戻らないなら無理しないでね?私たちなら1日2日位なんとか自分で自炊するから」


ナミさんは心配そうに俺を観ると、眉根を寄せて覗き込む様に俺に言葉を投げた


「ダメだよ、ナミさん。そんな事レディに任せたくないよ」


そう言って、にこっと笑うと、薄く剥かれたニンジンをボールに入れながら

「今日はこれを使おうと思ってたんだ」

と、苦し紛れに音にして急いでニンジンをまとめた



ルフィという船長に認められた料理人として、料理をさぼる事は俺的に納得出来なかった

料理人として、この船に居る以上、自分の出来る事はしたかった


辛いのも大変なのも、皆同じ

皆それぞれに出来る事を精一杯やって、それを仲間に生かしてるだけ

そうやって俺達は存在してるから

それなら、俺は…

出来る事をしたいと思う





皆は今の空気気づいてないだろうか…

そうなら、それが一番いいんだけど…


大事な仲間だから…

変な空気にはなってほしくない


アイツとルフィの事も、言いたくないし、それは気づいてないなら誰も知らない方が幸せだし…





「……」



結局、アイツとの間の事は何一つ解決しなかったな


全部すっきりさせたかったのにな…

ルフィとの事とかも…


また、これから普通の生活に戻って、それで、ルフィとの事は気づいてるのに知らない顔して生活なのかな…


そうだよな…


それが一番平和…


きっと、そうした方がいいんだ。

また二人をつつむ沈黙


もう慣れてしまったかもしれない感覚


こういう事って慣れてしまうとダメなんだけど、それでも慣れてしまってる様で、驚きはほとんどなかった



「……。…」



小さな音で…


この無音の部屋の中でも聞き取れないほどの小さな音が発せられた



「?」


ちらりとアイツを観ると、アイツは俺を真っ直ぐ見詰めていて、もう一度小さく音を発した


「すまん」


って



「…それ…どういう意味?」


胸の中に広がる、なんとも言えない空気


灰色だった心が真っ黒に染められる様な…そんな感覚


胸がちくちくと痛んで、眉間にしわが寄るのが自分でもわかる



そういう言葉を求めてる訳じゃないのに…

どういうつもり?



「…っ…すまん…」


俺から視線を逸らすと、もう一度そう呟くだけだった



ゆっくりと体を起こすと、アイツの方に向いて座りなおす


小さく息を吐くと、ゆっくりとアイツへと視線を動かして

「それって…どういう意味の謝罪?」

もう一度強く聞き返した



なんだろう…

本当はこの意味も、この先の答えも予想はついているのに…


心の中がゆっくりと荒れていくのが判る

さっきまで灰色だったのがドンドン黒く浸食されて、波打ってる


これで良かったはずなのに、これじゃダメなんだ


俺が納得出来なくなってる



頭では判っているのに、心がついていかない


どっちが本当?



このまま、「嘘だった」とか「冗談」とか、そんな答え出してくれる事を希望してたハズなのに…


アイツに謝られたら、こんなに不快な…

複雑な気持ちになるのはなぜ…??


これで良かったはずなのに…



「…悪かった、と、思ってる…」


ゆっくりと響く、音に、心が荒れる


俺、どうしちゃったんだろ


この気持ちはどんな感情…?



「…もぅ、いい…出て行けよ」


「!!」


「今はお前居たくない」


そう音にすると、手にあった煙草は荒く灰皿に押しつけて、またソファへと横たわる

背中を向ける様に、横たわると、悔しくて噛む唇が痛かった



納得できる答えだったじゃないか

アイツは謝ってくれた


なのに、なんだこの気持ち

晴れない闇は何?


俺はどうなりたい?

どうしたい?


アイツの言葉でちゃんと謝ってもらったのに…


これで納得出来ないなんて…








「…悪かった…だけど………。……無理すんなよ」





そう背中で聞こえると、足音はそのまま、遠くへと消えて行った




優しい言葉なんて掛けるなよ


冷たいなら冷たいままでいろよ


そんな風に態度を変えられたら、俺はどれを信じたらいい…?






--------------キリトリ----------------

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カタン……



「?」







 




雨降りな午後…

空は灰色で、差し込む光は薄暗い


余り体調はよくないが、眠りに就く程は辛くない



アクアリウムバーに差し込む光は何処となく濁っている感じがして、雨という感じがした



水越しに見上げる空は、更に灰色を濁らせていた






そんな灰色の空に吸い込まれる様に紫煙は立ち上る


空気変動がないこの部屋は、ただただゆっくり登っていく




空を見上げる様にソファに寝転んで、昇りゆく紫煙を観てる

この空気が好きだ


そんな風に想っていると、不意に入り口で音がした





もう観える姿に驚きも無かった





「…っ…大丈夫なのか…」


ぶっきらぼうにそう言葉を発すると、俺を観る事もなく視線を泳がせる




「…おう」


ちらりと視線を飛ばすと、すぐにまた紫煙へと視線を戻す


暫くの沈黙



何回目なんだろ…

こんな空気


あの、不意なキスからおかしくなってるねんな…






「……ありがとな…」



ポツリ呟くと、照れの様な、歯がゆい空気をごまかす様に煙草をくわえ、強く吸いつく


勢いよく流れ込んでくる煙草の味に、落ち着く様な、むせ返る様な不思議な感覚





アイツは入り口に立ったまま、腕を組んだ




変な空気…

お互いにツッコミたい処があるハズなのに、どういう風に触れたらいいのかわからなくて、こんな状態なんだよな



だったら、先陣切って、突っ込んだ方がいいのか?




「……」




相変わらず動く気配のない空気




「……あのさ…」

「?!」


不意に紡いだ言葉に、アイツは一瞬驚いた様な動きをするのが、視界の端に見えた




「…なんで、キスしたんだよ」


昇りゆく紫煙に視線を添えたまま、アイツを観る事もなくポツリと呟く

何事も無い様に、何も感じていない様に…





「……」




また、二人を包む沈黙…




揺らめく水面…

濁った光…

灰色の空…


モザイクみたいに心を隠す様だった

例えば…

オールブルーを見つけたら、どんな気持ちなんだろうか…


もう、この一味から離れてもいいと想うんだろうか…?


どう思うんだろう?


そこにとどまるんだろうか……





オールブルーの海は暖かいのかなぁ


どうなんだろう…

魚もいっぱいいて、キラキラしてるのかな…






「……っ?!」







目を開けると、布団の中にいた



あぁ…

夢か…


変な夢を見たな…



なんだか哀しい夢だった…




ぼんやりとする頭を整理しようと暫く布団の中でぼーっと天井を見上げた



オールブルー…

きっと暖かいんだろなー

そんな感じがする

なんとなく

希望の海だし、4つの海流が混じってそうだから…



見つけたら、くそじじぃに土産でも持って帰ってやらないとな



……あれ?


俺、夕べベッドにいつはいったっけ?

あれ?

ナミさんの荷物渡した?!


ん?



不意に布団から勢いよく起きると、デコからずり落ちたタオルが目の前を落下していった


あれ?

俺……?


目の前にボトリと落ちたタオルを手に取ると、少しぬるいぬれタオル…


キョロキョロと部屋を見渡すと、いつかと同じ様に、そこにはアイツが居た



ちょっとだけ体が硬直する

あの日の事がよみがえるから…


また、同じ事が起こるのでは…?

自分自身の中に黄色信号がともる気がした


そぉっと…

ゆっくりと…

ベッドを下りると、アイツを起こさない様に部屋を出る


今度は成功

アイツも寝てた


静かに静かにドアを閉めると、そのままキッチンへと上がる


どうやら今は朝らしい

時計を見ると10時頃を指していた


キッチンに入ると

「サンジ大丈夫なのか?!」

と、チョッパーが掛け寄ってきた


「?」

と、チョッパーを見ると

「サンジ、倒れてたんだぞ」

と、チョッパーが教えてくれた


「ゾロが見つけてきてくれて良かった」

チョッパーがそう言った一言にドキンと心臓がはねた気がした


「え?アイツが…?」


「うん。アイツびしょぬれでサンジ担いで帰ってきて、それからずっとサンジの傍で看病するって聞かなくて…今も部屋居ただろ?」


そう言いながらチョッパーは水を入れて「これ飲んで」と薬を俺に手渡した



あいつが…?

なんで?

どういうつもり…?


今の空気の罪滅ぼしみたいな感じ…?

それとも…?



「アイツまだ寝てたのか?」

薬を渡された後、チョッパーは俺に真っ直ぐとそう質問した


「あ…あぁ、寝てた。あいつが俺に構うなんて、今日槍でも降るんじゃないか?」


意地悪く、いつもの空気を装って、そうチョッパーに言うと


「ゾロはサンジの事、好きだと想うぞ」


そう言って笑うと、そのままキッチンから姿を消した






チョッパーよ…


今、そのワード…


俺にとって結構禁句な気がするけど…


言って去って行くんだな…






チョッパーの背中を見送った後、薬を一気に飲みほした

「サンジ君、ごめんね」






次の日…





眠れなかった…

どんなに眠ろうとしても…

どんなに楽しい事を考えても…

どんなにかわいこちゃんを浮かべても…


睡魔は俺を襲ってこなかった



翌朝…


若干、体が重い気もしたけど、気にしてられなくて、重い体を引きずりつつも、用事をこなしていると…


朝食が終わった後、ナミさんに買いだしを頼まれた

俺も丁度街へ出ようと思っていた所だったし、気分転換にいいかと想って、街へ行く事にした



「コックさん、顔色がさえないけど大丈夫?」


出かけにロビンちゃんに心配されたけど、笑顔で答えてそのまま、飛び出す様に街へと向かった


ナミさんに、出かけに「雨になるかもしれないから早めに帰ってきてね」と忠告を受けた

空はこんなにも青々と澄んでいるのに…

今から雨なんて降るのか?という程の晴天


まぁ、ナミさんの天気予報は当たるからな…


早めに帰ってこないとな…


そう想いながらも、少し離れた街へと、歩みを進める

海賊船は街の港には入れさせてもらえなかった

ちょっと離れた草原みたいな所に停泊を余儀なくされてしまい、街からは少し離れているけど、楽しみ半分で出かけた


色々な街をウロウロするけど、いつもどこの街も楽しみだ

見た事ない食材が絶対にあって、それをその土地の人に美味しい調理方法を聞くのがひとつの楽しみになっている


今回の街も、食材は抱負

海の幸も山の幸もそろっていて、調理のし甲斐がある


そろそろログもたまるって言ってたし、ちょっと多めに食材を購入した方がいいのかな?


そんな事を想いながら、街に出ている露店をウロウロ

珍しい食材をいくつか見ながら、ナミさんに言われていたものを受け取りに店へ


そこは本屋だった

どうやら、探していた海図の本をお願いしていたみたいで、受け取ったものは少し分厚い本だった


本屋って、最近寄った店はお歳を召したレディばっかりだったけど、今日の店の人はかわいこちゃんだったな…


そんな事を想いながら、いよいよメインの食材探し♪


海の幸も珍しい魚が並んでる

(緑色の魚とか見た事ねーよ、これってうめーのかな?)



(緑なんて…アイツの頭みたい…)


そうボンヤリ想ってから、ハッと気づいて思わず頭を振る


何想ってんだか


苦笑いを浮かべるも内心複雑な心境だった

どう処理していいかわからなくなって、また食材へと視線を泳がせる





《ポツ…》



不意に頬に触れるものがあって、我に返ると、ポツポツと雨が降り出していた


(やべっ!)


食材に視線を奪われて、ナミさんが言ってた事忘れてた

そういや雨って…


そう想っている間にすっかり雨はざざぶりになってしまって、お店の軒先から動けなくなってしまった


(やべーな…早くかえらないと皆が心配しちまう)


灰色の空を見上げながら、夕立である事を祈りつつ、降り注ぐ雨とにらめっこ


軒を並べていたお店は早々と店を閉じてしまって、見える人もまばらになっていた



時間的にもそろそろ戻らないと、夕飯の支度間に合わねえ……



ナミさんの本を懐にしまう様に抱えて、濡れない様にすると、足元を確かめながら小走りで船へと向かう


雨は一向にやむ気配がなくて、こんな事なら何か雨具を持ってくればよかったと心から後悔した



(あぁ…体が重いな…雨のせいかな?)


足場の悪い事も余ってかふらふらとする

足元を確かめながらふらふらと歩くと、突然意識が遠のいた