勾玉の解るるやうに玉紫陽花
今日は、暑い中を高尾山、歩いてきました。
玉紫陽花天が解きてゐるやうな
日に月に捧げられたる玉紫陽花
木漏れ日の使者となりたる揚羽蝶
団子屋の道にしきりに水を打つ
杉苗の奉納石碑男郎花
風鈴が風を呼びたる寺の門
天空を自在に蓮華升麻かな
秋草を訪ぬる一歩高尾山
蝉声を淡く抱ける高尾山
山巓は蜻蛉群れ翔ぶところなり
山巓へ吹きくる風の涼しさよ
佇めば臭木の花の匂ひくる
夏鳥の声の直下の山の道
夏鳥に木道の男和すごとし
黒揚羽森の木漏れ日結びゆく
杉木立その片蔭の浄心門
夏シャツの人風呂上がりなる香
夏の蝶ひかりを背負ひゆきにけり
ケーブルカー降りてマウントビアガーデン
風死せり関東平野眼下とし
風吹けば高上がりたる杜鵑草
杜鵑草高尾は天狗棲むところ
林間を夏鳥の声伸びゆけり
岩煙草岩場を登り詰めにけり
姥百合の聞き漏らさじと垂直に
姥百合の真つ直ぐ一途なこころかな
玉紫陽花ひかりを丸く弾きけり
姥百合と立てばそのまま立ち話
木漏れ日に引き摺られたる水引草
ものの持つ明るさ暗さ水引草