遠会釈病後の人の白日傘
雨が降りそうなので、散歩しないでいたら、降りそうにないですね。降るんでしょうが。
健啖家今も変はらず暑気払ひ
持つべきは古里の友夏見舞
花みかん古里の友のことをふと
鈴蘭や玻璃を隔ててピアノ曲
天翔ける姿池塘に糸蜻蛉
叡山に居住ひ正し薪能
単衣着て前屈みなる子規の顔
暮らすてふことに相性金魚鉢
人待つとなく窓開けて迎へ梅雨
大海を見て来たやうな出目金の目
写真見て描く自画像柿若葉
恵比寿住む岩屋背にして滝見茶屋
翔びてすぐひかりとなれる夏の蝶
枇杷の実や自衛隊員募集中
枇杷椀ぐや南東にある蓬莱山
三社祭浅草芸者行列す
奥多摩の森を深めて青葉木菟
外廁なりし本家や青葉木菟
読み聞かせ寝付く子供や青葉木菟
薫風の峠に広きデッキかな
野のものの苦みえぐみや甘藷焼酎
白鷺の影の真白き植田かな
筍流し深きに響く渓の音
風呂の音カラン筍流しかな
筍流し花園駅で乗り換へて
茉莉花の香り色香の充満す
茉莉花や天馬残り香ありにけり
鯉のぼり観音堂の空にをり
風炎や集落同じ名字なり