青春や青芝に浮く日本海
午前中雨で、今日は、散歩していません。
玻璃越しや青芝抱くやうに湖
青芝に家族の笑顔弾みをり
青芝に華奢な足首ふたつほど
青芝や二分けにして海の色
青芝や富士をめがけて第一打
青芝を過ぎゆく雲の影まだら
青芝へ紙飛行機の着陸す
青芝の色とりどりの長き椅子
青芝や譲り合はざる兄弟
青芝のカラフル日除けテントかな
学校のアカシアの花匂ひ立つ
アカシアの花若き日の羞恥心
花アカシア跳び箱とべた日の記憶
慎ましく清楚なる人花アカシア
傷跡の絶へざる日々や花アカシア
アカシアの花初恋の人のこと
水溜り蹴つて帰る日花アカシア
大連の小説をふと花アカシア
アカシアの花の蜜吸ひ通学路
花アカシア避難所となる体育館
高台に建つ学校や花アカシア
遠汽笛穴子弁当食ふ吾に
備前焼売りたる側で焼く穴子
汽車降りてまづ真つ直ぐに穴子飯
焼穴子頭も付ひてをりにけり
ふつくらと口中にとけ穴子鮨
東京湾したたるやうな穴子鮨
背開きで煮たる穴子の白さかな
焼穴子備長炭を焦がしけり
江戸前の天ぷら種にする穴子
難しき話しは後で穴子飯
下船して香りてきたる焼穴子