木の根道一段づつの冬日かな
昨日は、陣馬山から影信山を歩いて来ました。
冬日へと一歩一歩の山の道
林間の木漏れ日拾ひ冬の山
若者の一歩の長き冬の山
杉林の尾根の冬日を分けゆけり
山道の寒さ忘れてひたすらに
靴音が霜の声なす山の道
霜踏めば霜が答ふる山の道
枯木立目的の山見せにけり
杉といふ直立不動冬日差す
尾根道にきれいさつぱりなき落葉
矢のごとく差せる冬日の激しさよ
霜まるで生きてゐるかにひかりをり
日の斑てふ幸を賜はふ冬の山
黒土に白を極むる霜柱
山肌を崩れて黒き霜柱
峠へと飛び出て満つる冬日かな
雲に声空に声ある冬の山
山の名のどうのこうのと踏む春泥
陣場山四方の冬山名乗り挙ぐ
白峰をくすぐりてゐる冬木の芽
山巓の白馬の四方の冬の山
追ひ越させ足早にゆく冬帽子
富士山を懐に抱き枯木山
裸木の合間合間の富士の峰
丹沢をひとつ尾根とす冬木立
万両や奈良子峠といふところ
日の斑にて見つけられたる冬木の芽
枯草の霞のやうに山肌に
ごつごつと霜の固さの山の道
寒晴の輝きとなる湖ひとつ
冬日はも山峡の湖となりにけり
春隣寿ぐやうに渓の水
渓水の弾み弾みて春近し