駅前の新緑なびく広場かな
歩いていて、気持ちの良い日でした。
連休の大きな荷物若葉風
青葉光史跡通りといふところ
道端に蕗を茂らせ旧街道
黒揚羽茂りを出ては茂りへと
咲き残る二輪の著莪の花眩し
鯉幟洗濯物もなびかせて
鶯の声の抜けゆく切り通し
寺院跡丘を流れる初夏の雲
武蔵野の広さ明るさ青葉風
武蔵野の天にそば立つ松の芯
青空を背に新緑の色数多
山苣の花墳墓を渡る風の中
銀蘭も路傍の花ごとくかな
切り株が語る年月若葉風
アカシアの花や一樹が制す空
アカシアの花満開の静けさよ
鳥声に風に舞ふアカシアの花
アカシアの花の香りを運ぶ空
アカシアの花の無垢なる白さかな
アカシアの花に透けをる白き雲
また風がアカシアの花散らしをり
一斉に音立ててアカシアの花
アカシアの花と葉の舞ふ青き空
白詰草頑固一徹なる礎石
柿若葉史跡公園透けてをり
青芝に二人の時間流れをり
青芝に土器の破片の道ありぬ
初夏の雲史跡の丘にぽつかりと
梵鐘のごとくとも苧環の花
梵鐘の音ひとつ苧環の花
青芝の史跡の丘になにかゆく