富士山へ木槿かすりてゆく電車
昨日は、三つ峠山へ登ってきました。本来は、花の山なのですが、今年は、例年よりも鹿の被害が大きい気がしました。
行く山を遥かとしたる秋の雲
蜻蛉のどこで下車するつもりかな
無情にも富士を隠せる秋の雲
山道のまるまる笑顔風炉草
風ありて風に乗りゆく秋の蝶
人に懐きさうに寄りくる秋の蝶
山道の秋の木漏れ日濃かりけり
涼風の吹き上げてくる山の道
秋草を分けて頂上富士の峰
秋空に一字一石供養塔
岩肌に大きな巣あり秋の蜂
涼風や上人の墓霊峰に
熊鈴を錫杖のごと秋の山
秋なれや富士の展望股のぞき
険しきは修験の山や初嵐
馬返しよりが厳しき秋湿
木漏れ日へ歌ひ初めたる秋の鳥
求愛をしてゐるやうな秋の蝶
下山して林道長き秋の山
バス停の涼し眺望逆さ富士
林間を統べるがごとく秋の蝶
下山道秋水へ手を突つ込みぬ
男二人水浴びをせる秋の渓
涼しきは大樹の中に立つ社
山降りて吾も旅人葛の花
立札に沼の伝説葛の花
畦道が駅への道や稲の花
秋草や街角に立つ道祖伸
登りきし山と蜻蛉を置く窓辺