山霧に持ち上げられてロープウエー
友との旅の二日目は、唐松岳登山で、無事に日帰りすることが出来ました。
足元に秋の草花ロープウエー
山霧の一瞬開き青き空
山塊は不帰の嶮霧割るる
朝露に薄き日差しの宿りをり
朝露のひかりを浴びて山の道
薄紅葉一歩一歩に開けくる
延々と木の階段や飛蝗跳ぶ
稜線の赤き木の実のひかりかな
ゆく吾に語るがごとく山薊
胸中の吸気も同じ山の霧
稜線の紅葉に息を整ふる
木を跨ぎ岩を乗り越え秋の山
木の枝に頭ぶつけて霧の山
秋の蝶岩場するりと登りゆく
山道のさあ頑張れとチングルマ
霧の中歩幅の同じふたりかな
竜胆の口の堅さが取り柄なり
奥山の風の精ともチングルマ
霧の中色鮮やかな雨具かな
雲去りて紅葉のみな浮かび来る
生き物のやうに山霧動きゆく
岩のペンキ辿りて霧の中をゆく
山霧に濡れし眉毛を滴りぬ
肌白き樹々現るる霧の中
山霧の中を熊鈴転びゆく
薄紅葉沈ませてゐる八方池
リフト待つ霧の中より友二人
山肌の霧滑りゆくリフトかな