
冴返る猿に監視をされてをり
午後一杯、句会だったのでほぼ一日潰れますね、今日は、薄着でもとても過ごしやすい天気でした。
冴返る板の合間の渓深し
囀や尾瀬に竜宮おはします
花きぶし峠越えねばゆけぬ里
春泥を跳ね上げてゆく史跡かな
一軒の鉱泉宿や雉鳴けり
風鐸を天の声とも涅槃寺
啓蟄の電柱の陰なにかをり
春耕のまほろまの土柔らかき
啓蟄や観音堂を開け放つ
語り継ぐ焼畑の頃麦青む
野遊びの掘らば陶片出るところ
押し渡るやうな嵩あり雪解川
なにもなき園に息吹や春時雨
雛菊や草原風のすむところ
本積みて吸ひ殻積みて春炬燵
雪代の脇に草花生まれ初む
穴出し蜥蜴日光浴なりし
束ねねば山独活暴れ出しさうで
春愁やひとり暮らしの友二人
島にある表と裏や蒸鰈
みよちやんの居ない古里草若葉
朧月たましひすつと忍び寄る
沖に一艘動かざりしよ磯焚火