夕焼と吾を一筋結ぶ海
どこから見ても、夕焼けが一筋に海を横切ってくる。
歩めば、どこまでも付いてくる。
夕焼とあたかも結ばれているようである。残照の海。
ひかりは常に命ある方へ結ばれている。
撥持てばこれまた踊るごとくかな
衛星も銀漢の中流れゆく
飛ぶやうに草纏ひ付く下り簗
海側に車を留めて墓参り
ひとつ瀬にみな乗り行くや流燈会
手掘なる精霊舟が位を正す
芸の域越えし舞ひとも秋の蝶
防砂林松葉掻き分け採る茸
折り合ひをどこかでつけて泡立草
修行僧襷掛けして障子貼る
地芝居の舞台造りの地を均す
指切りを憶えてますか赤とんぼ
遠山へ飛んで行きさう飛蝗かな
鈴虫の音と会ひに行く御寺かな