京都にて | 俳句とお星様と山歩き

俳句とお星様と山歩き

俳句は、日々の散歩の頂きものです。お星様の話は、今は中断中です。山歩きは、主に奥多摩周辺が主です。2006年1月6日に開設したヤフーブログから移転してきました。よろしくお願い申し上げます。

鈴虫寺


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鈴虫の鬚が指揮棒なりしかな

秋茄子の上で羽根立て鳴きにけり

鈴虫や頭脳の中にある空間

鈴虫や本堂といふ虚がひとつ

開眼のかの鈴虫の妙なる音

一年中鈴虫法話聞きに来よ

仏法と鈴虫を聞く座敷かな

鈴虫の遠いところで鳴ひてをり

一願に住所氏名や寺の秋

鈴虫や一願成就地蔵尊

講釈す幸福守柿の秋



地蔵院


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日を浴びてまつはり遊ぶ竹の春

十六の石が羅漢や秋深む

秋の蝶巡り巡りて羅漢石

禅寺や秋空狭め大庇

細波の波が波打つ竹の春

何時かしら紅葉の大樹墓に添ふ

寄り添へば歩の合ふ二人竹の春

一斉に詩吟奏づる野路の秋



大覚寺


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昼酒や桜紅葉に裏表

京饂飩しばし待つ間の昼の月

吹く風に紅葉が色を深めけり

嵯峨菊を挿して京都の小料理屋

紅葉して庭に陰陽石ふたつ

嵯峨菊や白砂の庭があらばこそ

白塀の上の借景紅葉山

紅葉して枝垂桜に騒ぐ風

白砂と離れがたくて秋の雲

昼の月鳥影横切る池ひとつ

薄紅葉霊明殿は朱なりけり

嵯峨菊と高きを競ふ雲のあり

秋の雲大沢池に沈み行く