お隣さまは放課後プリンス | *.・・Another Sky・・.*

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だいたいは日常のこと、恋のことなどを書いてます

よろしくでーす☆

「あー。うん」


アリガトウゴザイマス、と無機質に言って、お隣さまはタルトを受け取った。


なんか・・・・ちょっと。態度悪くね?


よく見ると家の中は電気が消えていて。そして彼の表情は眠そうで。


もしかして・・・っていうか、たぶん。一人で寝ていたところをあたしが起こしてしまったらしい。


まずいな。


あたしは冷や汗をかいて、ヘコヘコと笑顔を作った。


「あ、あの~っ。そういえば、初めまして、ですよね」


「・・・・・・あー」


「あたし、隣の家の長女で、泉穂っていうんですけど」


「・・・・・・あー」


「えと、アキ君、だよね?」


「・・・・・・あー」


「・・・・・・」


お前は「あ」しか知らんのか?会話のボールは投げ返せよ!

キャッチボールしようよオイ!


胸ん中で抗議してみるものの、目の前の彼は悠然と無表情を保ったままだ。


もしかして・・・・・・この人。


嫌なヤツ、なのかもしれない。


あのとき見た虹の美しさにつられて、勝手にいいイメージもっちゃったけど。


思い違い、だったのかもしれない。


・・・・・・なんだろう。悲しくなってきた。みじめになってきた。


ヘコヘコ笑って機嫌とろうとした自分が、バカみたいに思えてきた。


つーか、ちょっとはアンタもあわせろよ。


なんでそんな堂々と無愛想にできんだよ。


黙り込むあたしに、彼は「まだなにか?」みたいな視線を送ってくる。


「・・・おジャマしました」


そういって帰ろうとしたけど、やっぱ最後に嫌味のひとつでも言ってやろうと思った。


あたしは振り返り、精一杯な高飛車な態度で言い放った。


「そのタルト、高いんだから味わって食べてくださいね」


すると彼は、やわらかそうな前髪の隙間からあたしを見つめて。


「悪いけど俺、甘いものは食えないから」


「・・・・それはそれは失礼しました!!」


バン!!と乱暴に閉めたドアの音。


昨日、虹を見た空は、ムカつくくらいに晴れ渡っていた。



なにアイツなにアイツ、なんなんだよアイツ。


隣人へのムカつきは、一晩たっても消えなかった。


べつにそこまで腹を立てる必要はないって、自分でも思うけど。でも、無性に裏切られた気分で。


・・・・・・だって。バカみたいかもしんないけど、あのキレイな虹は、彼が見せてくれたような気がしてたのに。


いや、バカみたいじゃなくて、ホントのバカか。なにを期待してたんだっつーの。


「はぁ・・・・・・」


てゆーか、どいつもこぃつも、なんであんな傍若無人に生きられるんだろう。


それともあたしがヘタレすぎんの?


あたし以外の人間がみんな自信満々で、あたしだけがビクビク生きてるような気がしてくる。


ムシャクシャしながら放課後の廊下を歩いていると、前から来た人と正面衝突してしまった。


「・・・・・・いってーなぁ!」


小心者のくせにイキがるのが得意なあたしは、ぶつかった顔を上げて相手をにらみつけた。


が、次の瞬間には大後悔。


「ごめん、そんな痛かった?」


うそっ・・・・・・マジでっ!?ニーナ先輩!!





続く