「いや、あのっ」
「大丈夫?」
「だ、大丈夫です!痛いです!」
パニックになって変なことを口走るあたし。
先輩はハハッと笑って、もう一度「ごめんね」といった。
「ま、俺も顎ぶつけちゃって、若干涙目なんだけどね」
あぁぁ、ごめんなさい。あたしごときが先輩の麗しい顎をヒットしてごめんなさい。
彼は3年の新名晴彦さん。通称ニーナ先輩。
モデル顔負けのスタイルに、大人っぽいウエーブがかかった黒髪。我が高の頂点に君臨する、正真正銘のイケメンキングだ。
「あれ?もしかしてキミって、モカちゃんの友達じゃない?」
先輩はあたしの顔をジロジロ見たかと思うと、そぅ言った。
「え?はい」
「やっぱり。一緒にいるとこみたことあるなぁと思って」
「モカと知り合いなんですか?」
「うん、友達。あの子って、すげぇ人懐っこいじゃん?」
「はぁ・・・・・・」
さすがモカ。雲の上のニーナ先輩も、あの子にとっちゃぁ射程範囲内ってわけか。
「じゃ」と先輩が立ち去った数秒後、「泉穂~」と後ろから呼ぶ声がした。
モカだ。それに、まりえとノッコも。
「泉穂、どこ消えてたのー」
「あー、ごめん。トイレ行ってた」
危ねー危ねー。もぅちょい速いタイミンギで現れてたら、先輩と話してるのみられるとこだった。
あたしが先輩にあこがれてるなんてモカにバレたら、モカはそっこーで先輩を狙うだろう。
べつに、あたしは先輩の彼女になりたいとか思ってるわけじゃないけど。
モカに引っ掻き回されるのは、断じてイヤだ。
「腹減ったー。なにか食べてかえろ」
歩きながらまりえが言うと、
「あたし、甘いのがいいなー」
ノッコが答えた。
「あ、いいねぇ、賛成~」
「あたしパス、金ないし」
あっさり断ったのは、モカだった。
「えー、モカも行こうよ。金なら山本に出させりゃいいじゃーん」
まりえが食い下がる。山本っていうのは、モカが付き合っている大学生の名前。
するとモカは、リカちゃん人形みたいにかわいい顔を醜くゆがめて答えた。
「あいつ、最近やたらケチでさぁ。ムカついて別れたんだょね」
・・・・・・それは、あんたに貢いでお金を使い果たしたからじゃないのかい?とあたしは思うんだけど、もちろんいえない。
山本君の肩を持ってあげたいけど、モカに意見する勇気はない。
ごめんなさい山本君。成仏してくれ、山本君。
「んじゃ、金かかんない学食にするかぁ」
まりえが言った。
「でもこの時間だと、オニ高のヤツらきてんじゃない?」
続く
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いつもへんなとこできってすいません><><
コメまってます