もう6日も前のことだが、先週水曜日に妻の通院に付き添ったときのことを書いておこうと思う。

妻のブログにも既に書かれているので今更だが、一応記録のために。

最近、ブログを書いている時間がなく、こうして日が過ぎることが本当に多くなってしまった。

今回の診察で相談したことは、大きく2つ。ひとつは食事のこと、もうひとつはラジカットのことだ。

3月に胃ろうを造設して以来、妻には食べたいものを口から食べてもらい、1日1回、半固形のラコールを胃ろうから入れて栄養補助をしてきた。

4ヶ月以上、それでペースを保っていたが、ここしばらく、食事の際にむせるようになってしまった。

食事量が減り、体重も1kg程減ってしまったので、これでは良くないと思い、胃ろうから入れる栄養の量を増やした。これまで1日300kcalを注入していたところ、朝夕合わせて700kcalくらいにした。

診察でその話をしてみると、先生は大体次のようなことを言われた。

・胃ろうからの栄養量をコントロールして体重を保つのは、概ね良いこと。
・しかし、そもそも筋肉が衰える病気なので、1kgくらいの体重低下はあり得ること。
・体重が増えると負担も増すので、維持するようあまりこだわらなくていい。

まとめると大体こういう中身だった。体重維持に気を配った方が良いが、こだわり過ぎなくてもいいといったニュアンスのようだ。

ここに来てつくづく思うのは、胃ろうの便利さだ。食事が減ってきたら、すぐに栄養を増やせる。どう調整すべきかは色々意見があるだろうが、簡単に試せるのはそれだけで有難いことだと思う。

ちなみに現在、胃ろうからは、スポーツ飲料や病院から出ている薬等も入れており、1日4~5回は活躍している。


次にラジカットについて。

妻は先週の月曜日から、10クール目のラジカット点滴を受けている。

以前も一度書いたが、ALSでは、筋肉の弱まりのために血管も弱まり、点滴針を刺すこと自体が難しくなってしまう。14日間続けて毎日点滴を打つが、針を刺す箇所を探すのが本当に大変な状態だ。

針を刺しっぱなしにする留置針の方式は、前回から難しくなってきた。今回はさらに、左腕に刺すことがほぼ無理と言われた。

訪問看護師さんは、今後のため、先手を打ってCVポートの設置を考えてみてはと勧めてきた。それで、診察の際に主治医にも相談してみた。

CVポートは、胸の皮膚の下にポートを埋め込んで、点滴をしやすくする施術だ。ポート部分のどこに刺しても点滴を注入できるので、家族が針を刺すことも可能なくらい簡便になるらしい。

CVポートについて先生は、大体次のように説明してくださった。

・ポートを設置しても外見はあまり目立たず、入浴などもできる。
・ラジカットの点滴が打ちやすくなる他、その他の点滴が必要な場合に処置しやすくなる。例えば栄養注入など。
・しかし妻の場合、既に胃ろうを造設しているので栄養注入は胃ろうからで足りる。ポートの使い道は、主にラジカットになるだろう。
・ラジカットのためだけにポートを設置する価値があるかとなると微妙。ラジカットは、時間と負担を要するが、それに見合うほど効果があるとも言えない。簡便に出来ているうちは続ける価値があるが、難しくなってきたら中止する判断もある。私なら(主治医なら)飲みやすいリルテックを続けてどこかでラジカットは中止する。
・ポートは、異物を留置するので、感染の恐れがある。ALSで感染症状が出ると、まず誤嚥性肺炎を疑う。そのため、ポートが感染源と分からず、診断が遅れる場合がある。目に見えてポート周りが腫れてでもいればすぐに分かるが、そんな風になるとは限らず、見つけづらいこともある。

要するにリスクとリターンの問題ということのようだ。感染のリスクを負ってまでCVポートを設置し、それに見合うほどのリターンがあるのか、ラジカット自体、是が非でも続ける価値があるのかということのようだ。

しかし、ラジカットとリルテックは、かすかな希望の綱でもある。効能もともかくだが、心の拠り所になっているので、やめるのには勇気がいるところだ。

そんなことを相談して、今回の診察は終わった。

それからもうひとつ、痰が取りにくいようならカフアシストを導入する手もあると勧められた。バイパップの業者に頼めば機器を紹介してくれるだろうとのこと。

吸引器に比べてどのくらい効果が高いのかちょっとわからないが、今後考えていかなければいけない。

聞かなければ分からないこと、知らないことが多い。