昨日「世界ALSデー in NAGOYA みんなでゴロンしよう!」に出掛けた。娘を1日ばあちゃんにあずけ、妻と二人での参加だった。

オリィさんと武藤さんが二人ともお洒落で格好よく、プレゼンもパフォーマンスも素晴らしかったこと、

根っからのドラゴンズファンである妻が、立浪さんの登場に大興奮したこと、

質問コーナーで妻が、少しだけ立浪さんと絡むことができたことなどなど、既に妻のブログに書かれたとおりだ。こちらでは、それ以外のことを書き留めておこうと思う。

僕がもうひとつ感心したのはアナウンサーの平野裕加里さんのことだ。参加するまで予備知識を持っていなかったが、平野さんは単に司会進行を任されたのでなく、イベント開催を発起し、呼び掛けをなさってきた方らしい。

平野さんが「立浪さんのファンの方いますか?」と会場に問いかけ、挙手した妻を指名して「何か質問はありますか?」と言ってくださった。

隣にいた僕が「しゃべれないんで」と言い、妻が紙に質問を書いて渡したのだが、その時平野さんが、
「ALSですか?手より先に言葉の方ですか?」
とさらりとおっしゃったので、僕は少し驚いた。

ほんの一言だが、ALSのことをよく理解していないと言えない言葉だと思う。少なくともALSが進行性の病であることと、発症する部位や進行の経緯が人によってまちまちであることを知っていないとこういう発言にはならない。

一瞬でそこを察してもらえるのは、実はかなり稀有なことだ。役所に手続きなどに行ったとき、窓口で応対した方がALSのことをほとんど知らず、病の進行のことや発症部位のこと等をこちらから説明した経験が何度かあるが、そういったときのやるせなさや、微妙なストレスは気持ちを結構沈ませるものだ。逆に察してもらえた時には、心が少し軽くなる。

ALSのことを一人でも多くの方に知って欲しいという今回のイベントの目的は、主には、認識の普及によって研究開発が進展することをねらっているのだと思うが、個人的には、病気の知識が世間に浸透して病名ひとつで察してもらえれば少し違うのにというささやかな願いもある。

その後の平野さんのトークを聞いていても、5年前から始めたこのイベントで、ALS患者の誰がどう関わってきたかや、会場参加しているALS患者の方の多くがリピーターで、去年はこうだった、その前はああだったと、経緯を細かく覚えていることなどが折々で触れられ、このイベントに力を傾けている様子が伝わってくる気がした。

こういったイベントが、スタッフの方の尽力で開催されることは本当に得難いことだと思う。

ところで今回、イベント直前に「新鋭工業 スマイルケア KS-1000C」という小型の吸引器を購入した。
重量3.2kgなのでキャリーバッグに入れれぱ、会場を持ち歩いてもそれほど負担にはならない。バッテリーでも動くので、機動性が素晴らしい。お陰で、痰の悩みにはかなり対処できた。

嚥下の心配から、不安だった昼食も、会場で買った鳥の唐揚げを、持参したナイフで細かく切ってなんとか食べられた。妻はよく頑張ったと思う。

会場で人に話し掛けたりすることは出来なかったが、都合が合えば来年も参加したいと思っている。


おまけ

これ書いたあと、あそうか、マスコットのパンダを描くべきだったと後悔した。