先日「神頼みの計画」にも書いたが、妻がALSの診断を受けて初めての年始となる今回、どこかでご祈祷をお願いしようと考えた。

ネットで調べた上で、自宅から一時間程度で行ける稲沢市の「せんき薬師」さんに決め、今日、朝一番で出掛けてみた。

「せんき薬師」さんは、薬師如来をご本尊とするお寺で、神様でなく、仏様におすがりすることにした形だ。

薬師如来は、丸薬の入った薬壺を持っていて、病気を治す仏様として知られているそうだ。物を知らない僕が、あらためてネットで仏像の画像を見てみると、確かにドラゴンボールの仙豆でも入っていそうな薬壺をお持ちになっている。
(薬師如来様すいません、それ以外の連想が私にはありません。)

大医王、医王善逝といった別名もあるそうで何とも心強い。

「せんき薬師」さんのホームページによると、普段使うタオルやパジャマを持参すればご祈祷してくださるそうだし、写真を渡せば、3ヶ月間御宝前にお祀りしてくださるそうだ。

早速それらも持参して、ご祈祷をお願いした。さらに、祈祷料をお納めすれば、1ヶ月等の長期祈祷もお願いできるとのことだったので、受付で話した上で、当面2ヶ月の祈祷をお願いすることにした。

ところで、妻は、昨年まで別の神社で6年程、病気平癒のご祈祷をお願いしてきた。ALS目的ではないが、色々と健康不安があったためだ。

これまでお願いしてきたその神社に比べると、今回の「せんき薬師」さんは、総じてアットホームな印象だった。

ご祈祷中も終始和やかだし、おそらくご近所の馴染みの方が見えている様子で、挨拶を交わす声が幾度も聞こえた。

これまでの神社では、そういった参拝者同士の挨拶はまず無く、格式高い感じが強かったが、今回の雰囲気もいいな、むしろ好ましい、顔と名前を覚えてお祈りしてくださるんじゃないかなという期待が沸いた。

写真のお祀りや、長期祈祷があらかじめ用意されているのも、患者や家族の気持ちを考えてのことだろうと感じた。お願いする側は、心をおさめるために、まさにそこが欲しいところなので有難い。

話はそれ、親バカ話になるが、昨年までのご祈祷では、毎回、娘を大人しく待たせておくのに苦労した。途中で飽きて騒いだり歩き回ったりするので、3歳頃までは、妻を残して僕と娘が退室するのがほとんどだった。

それが、今年は、ご祈祷中終始大人しくしていて娘も成長したなぁとつくづく嬉しかった。あとで聞くと、帰りにお年玉で買うオモチャのことをずっと考えていたそうだが。

今回の年末年始休みは、ALS診断から間もなく、果たして楽しく過ごせるだろうかと心配したが、妻の友人との面会や、ブログを書き、読み、コメントしたりしているうちに次第に気持ちが切り替わり、9連休最終日の今日、ご祈祷に行って、ちょっと楽しい気分になって帰ってくることができた。ご祈祷後に家族3人で撮った写真も、皆にこやかだった。

帰宅して、お寺からいただいた御札を貼った。
ご真言の

「おんころころせんだりまとうぎそわか」

というのを唱えて朝夕、お祈りするようにということだが、とても覚えられないので、メモ書きして壁に貼っておこうという話になった。
結果、妻と僕が書くといつもこうなる、落書きメモになった。



左が僕で、右が妻です。なんじゃこりゃ。
写真上げたら嫌がるかな、嫁さん。ごめん。

追記。

ご祈祷の申し込み書を書くとき、妻の住所、氏名等を書いて、お願いごとの欄に

「ALS(筋萎縮性側索硬化症)の平癒」

と書き、これでいい?と見せたら、妻が

「病気の進行が遅くなりますように
   娘と主人とずっと一緒にいたいです」

と書き添えた。ほんとにね、と思った。