新潟から奈良までいくつか山行プランがあるのですがなかなか天気が安定しません。過ぎゆく夏を逃さじと本州をあきらめ、この夏二度目の北海道にやってきました。
トムラウシ山はガイドブックのコースタイムでも10時間を超える長丁場の山。私は夜明け前に帯広の宿を出発しますが、登山口まで二時間半もかかってしまい歩き始めたのは7時を少し過ぎていました。
2003年に新しく切り開かれた笹の刈られたルートはぬかるみが多く、緩やかな道なのですが左右に避けて歩くのにかなり時間を取られます。時折眺められる周りの山々が優しい曲線を描いて、遠く青くかすむまで折り重なっています。雌阿寒岳の噴火口のような威圧的な風景ではなく、心がなごみます。
コマドリ沢に沿って高度を上げていくと、岩礫帯で「ピチュイッ」、「チュイッ」と甲高いナキウサギの声です。足を止めあたりを探しますがその姿は見えません。
前トム平から一つ尾根を越え巨岩の点在するトムラウシ公園までいったん下ると、私の好きなミヤマリンドウがたくさん咲いています。北アルプスよりここの花は青みが強いのではないでしょうか。
キャンプサイトも近いトムラウシ分岐まで緩やかに上り、最後の急登三十分ほどで山頂に到着です。北海道の抜けるような青い空の下、大雪連峰に石狩連峰、遠く南の方向には青く煙る日高山脈でしょうか、360度の大展望です。
下山路ではナキウサギが盛んに鳴いています。日が傾き始めたので行動が活発になったのでしょうか。四匹見ることができました。
日没が近く急いだためでしょうか。今まで経験したことのない痛みを右ひざに感じます。体重をかけるのは問題ないのですが、曲げると声が出るほど痛みが増してきました。私はヘッドライトを出しやすいザックのポケットに移し、一歩ずつ痛まないように慎重に下っていきます。
太陽が沈む直前の18時、登山口に降り立つことができました。11時間の長い長い山行でした。
2011.08.27
トムラウシ山
日本百名山 77/100
短縮コース登山口 → カムイ天上分岐 → コマドリ沢分岐 → 前トム平 → トムラウシ分岐 → トムラウシ山 (往復)





