放送作家の小野高義です
春のセンバツ高校野球
ベスト8が出そろいました!
星稜
阿南光
健大高崎
山梨学院
中央学院
青森山田
大阪桐蔭
報徳学園
ちなみに
わたくしが開幕前に予想したベスト8は
関東一
豊川
健大高崎
山梨学院
中央学院
広陵
大阪桐蔭
報徳学園
ということで
8校中5校的中
という
…ま
予想としては
可もなく不可もなく
という感じではありますが…
きょうの
広陵と青森山田の一戦
7回まで広陵のエース高尾君が
ノーヒットノーランの快投を見せていたのに
8回に2点
9回に3点差を追いつき
タイブレークでサヨナラ勝ち
という底力を見せた
青森山田高校は
勝ったから言うのではなく
関投手
桜田投手のWエースの存在感を中心とした
前評判の高さから
広陵とどっちにしようか迷ってはいました
ベスト8にふさわしい
ある意味順当といえば順当とも言える結果
といえるかもしれません
◇
一方
ぼくのしょうもない想像を遙かに超えてきたチームが
阿南光高校です
小学校中学校時代からの地元メンバーが集まった公立高校
エースの吉岡君は数々の強豪校から誘いを受けながら
仲間と野球をするために阿南光を選んだ
というストーリーは
存じ上げてはいたのですが
この大会での
吉岡君の投球を見て
衝撃を受けました
ガッチリとした大柄な体格から繰り出される
その柔らかなフォームは
まるで
山本由伸投手をさらに一回り大きくしたような
しなやかさとセンスとスケール感を感じさせました
秋の大会では
ややもすると
バネはあるものの線が細い印象の投手でしたが
この一冬で
さらなる成長を遂げ
まだまだその進化は発展途上で
どこまで成長するかわからないという
ロマンをいっぱいに感じました
このセンバツ
最大の発見であり
スカウトも色めき立ったのではないでしょうか
中学生からともに野球を続けてきたチームメイトが
地元の公立高校で甲子園へ
というストーリーは
吉岡君のスケール感ともあいまって
2006年
甲子園で旋風を巻き起こした
大嶺佑太投手の八重山商工を思い起こさせてくれます
◇
センバツでの発見といえばもう一人
健大高崎の
エース佐藤龍月投手…
…と並ぶ背番号10の
石垣元気投手
も個人的には衝撃を受けました
もちろん
エース佐藤龍月投手の素晴らしさは言うまでもなく
大きくインステップした左腕から繰り出される
クロスファイアーのストレートは
最速145キロでさらに見た目以上のキレと速さを感じさせ
大きく曲がるスライダーは
左打者の背中からアウトコースいっぱいに決まり
とても高校生が対応できるシロモノではありません
さすがは
50を超える高校から誘いが来た逸材
ではありますが
その佐藤君にエースナンバーを譲る形ではあるものの
石垣君のピッチングは
全くひけをとるどころか
素材とボールの力と質は
むしろ佐藤君をしのぐほどではないか
と思えるほど
素晴らしいものがあります
ストレートは
甲子園でも
今大会最速の149キロを計測
回転数も多そうな質の良いフォーシームで
このストレートだけでも
大きな可能性を感じますが
さらに
アウトコースに決まるスライダーやカットボール
落ちるボールも
しっかりコースに制球できていて
精度が高いです
この完成度はすでに
ドラ1候補でもおかしくないのに
さらに驚くべきは
まだ2年生
ということです
しかもまだ春
実質的にはまだ1年生…
身長176センチと
決して大きくはないですが
まだ成長期の可能性もあり
背が伸びれば
一体どれだけの投手になることやら…
同じ学年に
佐藤龍月くんという
同世代のライバルがいることで
互いに高め合っているのでしょう
◇
飛ばないバットで
ホームランはまだ3本
それでも
素晴らしい素材が続々出てきて
様々な発見がある甲子園
ベスト8の戦いは
果たしてどうなることやら
というわけできょうはこのへんで
小野高義