放送作家の小野高義です
WBCが終わり
きょうは雨が降って甲子園も試合がなく
久しぶりに
野球がないなー
と思いながら過ごす1日でした
◇
ドラマを超える劇的すぎる激闘から一夜明けて
その興奮の余韻に
日本中が未だ酔いしれています
ワイドショーもニュースも
きのうの
劇的勝利の瞬間を
日本の感動の声や海外の声とともに伝え
激闘を終えて寝る間もなくチャーター機に乗り込んだ
侍ジャパンメンバーの帰国を
飛行機の到着から
ボーイング787のなんたるかがわかるくらいずっと中継して
一般のトップニュースで
その帰国の様子から
記者会見の模様まで
事細かに時間を割いて伝えられました
栗山監督は
ニュース番組をたらいまわしになりながら
同じような質問に
同じことでも真摯にしっかりと受け答えしていて
やっぱりこの監督だからこその侍ジャパンなんだな
と改めて思いました
ぼくはもちろん
世の中が醸し出すそんな余韻に心地よく浸り
野球ファンに限らない多くの人たちが
同じ気分を共有していることが
子供の頃からの野球好きとしては
とてもうれしい限りです
◇
明日
真性森保ジャパンの船出となる
ウルグアイとの親善試合が行われます
思えば
今からわずか3ヶ月前
あれほど
日本中を「ブラボー」や「三苫の1ミリ」の言葉とともに
熱狂の渦に巻き込み
2022年いっぱい
その歓喜の余韻は続いていたように思います
その当時の熱狂から
3ヶ月ほどで行われる
新生森保ジャパンの船出の注目度は
3ヶ月前に思い描いていたその光景と
だいぶ温度差があるような気がしないでもないのは
ぼくだけではないんじゃないか
という気がしています
◇
今回の侍ジャパンの活躍で
栗山監督が
今回の優勝を見た子供たちが
野球ってすごいと思ってくれたらうれしい
と語り
野球離れや人気の減少が叫ばれていた野球界全体の
人気回復や子供たちの野球人口の増加につながるのではないか
という
野球関係者やメディアも期待しています
しかし
本当の正念場はここからだと思います
◇
熱しやすく冷めやすいのは
日本人に限りませんが
スポーツの世界では
母国が活躍すれば
熱狂的なブームが起こるのは
どこか日本の恒例行事のような出来事
のような気がします
女子サッカーW杯優勝で起きた
なでしこジャパンブーム
ラグビーW杯での日本の活躍
オリンピックでの様々な競技の活躍
確かに
世界を舞台にしたその試合は
視聴率もすごいし熱狂もするけれど
通常行われる
それら競技の試合で
競技場が満員になりテレビの視聴率がぐんぐん伸びていく
という現象が続くことは稀です
国際舞台での快進撃は
熱狂を生み出しはするけれど
その熱は冷めやすく
その後の競技自体の盛り上がりに
つながらないことはないのかもしれないけれど
多くの場合
熱狂の過熱ぶりとの温度差はかなりあると
思わざるを得ません
でもそれが現実だし
仕方のないことだとも思います
◇
今回の侍ジャパンの快進撃と
日本の熱狂は
日本野球伝来150年前から
先人たちが
あらゆる年代のにおいて築き上げてきた努力の上にあります
それらの努力が
日本に
野球を「文化」として根付くまでに定着させ
数々のスーパースターを生み出し
ついには
世界の頂点に上り詰めるチームや
世界No.1でありオンリーワンである
大谷翔平という二刀流のスーパースターを生み出しました
◇
今後
野球界ができることは
こうした熱狂にかまけることなく
野球に傾ける情熱を
関係者も
そして野球を愛する全てのファンも
持ち続け
野球っておもしろいな、楽しいな
と思うプレーを
見せてもらい
見せるために努力して
その素晴らしいプレーの力となる応援をして
その素晴らしさを発信する
つまりそれは
日本に野球のある日常を
今後も変わることなく続けていくことなのではいかな
と思います
明日は甲子園の天気も大丈夫そうです
野球のある日常を心ゆくまで楽しみましょう
というわけできょうはこのへんで