おのころ心平です。
僕が好きな生物学者に
福岡伸一先生がいます。
その博識、洞察力、
そして類まれな表現力。
先生の本には、
数々の知的冒険が含まれている…。
その一冊、
の中に、
『放蕩息子の帰還』
という節があります。
一部、引用しますね。
*****
ウイルスはどこから来たか。
最小の自己複製単位であり、構造もシンプルだ。
だから一見、ウイルスは生命の出発点、
生物の初源形態のように思える。
それがだんだん進化して複雑化していったと。
否。ウイルスの遺伝子を詳しく調べてみると、
それはいずれも私たちの
遺伝子の一部に似ていることがわかってきた。
つまりウイルスは
かつて私たちのゲノムの一部だったのだ。
私たちのゲノムは常に複製され、
あるいは転写(DNAからRNAができること)されている。
この過程で、たまたまはずみで
細胞外に飛び出してしまった断片があった。
それは流れ流れる旅路についた。
多くのものは分解されて絶えたが、
わずかなものだけは他の細胞に付着して
複製できるチャンスがあれば増え、
すこしずつ変化し、殻で身を守るようになった。
そして彼らは探し続けたのだ。
かつて自分が属していたものを。
彼らは確かにそこへ帰り着いた。
しかし、彼ら放蕩息子たちは、あまりにも
変わり果てていたため、
もはやすんなり受け入れてもらえなかった。
むしろ私たちの免疫系は
彼らをよそ者扱いして排除しようとする。
彼らは必死に自らを増やし、
自らをアピールする。
喉の痛みや鼻水や咳は、
そんな小競り合いの結果である。
*****
福岡ハカセは、
風邪をひくと、
そっと小声でささやきます。
「おかえり」と。
一体、誰に?
目には見えない、放蕩息子たちに…。
新約聖書ルカ福音書に出てくる
『放蕩息子の帰還』のエピソードと
ウイルスを絡めるあたり、
さすが、福岡先生一流のセンス。
風邪の症状が、
長い旅路から帰ってきたウイルスたちの、
切なる承認欲求なのだと
考えることができたなら…。
この世に存在するもの、
すべからく承認欲求を持つ。
だとしたら、ウイルスの自己アピールを
最小限にできる方法とは…。
さあ、あなたも風邪をひいたら、
そっとつぶやいてみましょう。
「おかえり」と。
***
3月30日(土)
静岡県は富士山のふもとの朝霧高原、
日月倶楽部 & 富士静養園から
「リトリートLIVE中継」をお届けします!
ここを主宰する
山本竜隆Dr.の掲げるリトリート構想に
僕のセラピスト・メッカ構想を上乗せして、
LIVE配信では現地から、
●第1部では おのころ心平、
ココロとカラダのセラピスト・メッカ構想を
●第2部では 山本竜隆Drによる
日本リトリート構想
●第3部では 僕と竜隆先生との
未来ヴィジョンを語るコラボトーク
をお送りします。
現地の火、地、風、水を
感じてもらいながらのLIVE配信。
※エントリーはコチラから。
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