おはようございます。
おのころ心平です。
「話せばわかる」
「ゆっくり話し合えばわかり合える」
というセルフの背景には、
「自分の思いを
わからせようとしている」
という本音が隠れておりますので、
(バッサリ!)
話し合ったところで、
よけいに話がこじれる場合が多いです。
なぜなら、
相手の話をゆっくり聞こうということは
ほとんどなくて、
たとえ聞いていたとしても、
相手の話を聞く風を装いながら
頭の中では、
次に自分が何を言うか
を考えています。
***
カウンセリング現場で、
様々な家庭内の行き違い、
職場での人間関係ストレスをみてきて、
僕は、
「話せばわかる」
という台詞が出た時点で
もうずいぶん難しい局面なんだな、
と見込みを立てます。
理想的にはだから、
この台詞が出ないような
ふだんのコミュニケーション・センスが
重要なのです。
***
職場や家族間において、
コミュニケーションの言葉は、
健全なバウンダリーを築くために
重要な要素です。
でも、その言葉をのせる手段がいま、
たくさん増えていますね。
たとえば、ある案件を、
メールで伝える方がよい場合と、
電話で伝える方がよい場合と・・・、
どちらがよいかというのは、
コミュニケーションのセンスが
問われるところです。
***
コミュニケーションというものは、
その場合場合の機微があり、
直接電話よりも
メールの方が伝わる場合もあります。
たとえ夫婦や親子でも、
いきなり電話をかけることで、
バウンダリー・オーバー
(バウンダリー越え)が
発生してしまうことがあります。
肉声というのは、
すごく近いからです。
装飾ができません。
素(す)が顕(あらわ)なのです。
「素でいいじゃないか、直球で行こう!」
という男性に限って、
やっぱりそれはバウンダリー・オーバーを
起こしやすくなっています。
***
僕の友人に、
黎明期の携帯電話の開発に携わった
人がいるのですが、彼曰く、開発当時、
開発チームではほとんどの人が、
「メール(メッセージ)機能など、
誰が使うだろうか?」
「電話で伝える方が早いじゃないか」
「本当に必要なのだろうか?」
という議論がたびたびあったそうです。
いまこれだけ
文字や絵文字での情報交換が
発展することが、当時は、
想像もできなかったのです。
***
はい、
このことが端的に示しているように、
コミュニケーション文化は、
かつてのイメージを
化石時代にしてしまうくらい、
今日も進化しています。
言葉に対してこれだけ
デリケートな社会になって、
コミュニケーション・センスの
トレーニングは、
ますます重要になってきています。
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