おのころ心平です。
おのころ心平、最新刊!
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僕がこの本で、
「怒り」という感情を
取り上げたいと思ったその背景には、
コロナ禍があります。
窮屈なマスク生活、
リモートワークという孤立状態、
ソーシャルディスタンスという同調圧力。
公共の場では呼吸さえ恐る恐る。
「職場や家族に迷惑がかかっては……」と、
容易に風邪をひくことも許されず。
家族同士でさえ触れ合うことに
躊躇するような異常な時期が続きました。
誰に、何に、怒りをぶつけてよいかも分からない。
そんな理不尽な状況にもぐっと耐えて、
大きな暴動やデモを起こすこともせず、
日本人は本当に理性的でした。
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しかし、不謹慎を承知で告白すると、
僕は、その状況に対して
こんなふうに案じてきました。
せめて風邪でもひいて
カーッと熱を出すことができれば、
イライラも少しは浄化できるのに、
世間の目を気にして風邪さえひけないなんて!
風邪さえ、
としたのは、僕自身、
風邪は上手にひいてやることでカラダを
浄化してくれる “自然の整体” のように
考えているからなのですが、
「ココロとカラダをつなぐ
セルフケアカウンセラー」として、
今もっとも気にかけているのは、
コロナ禍の3年間で行き場が
失われたままになってしまっている
「怒り」の行く末なのです。
ココロとカラダの中に溜まった怒りが、
燃えかけの炭やプラスチックのように、
毒を出しながらダラダラとくすぶり続けているかもしれない……。
そんなイメージが湧いてしかたありません。
***
ですから、
騒動が落ち着いた今こそ、
「怒り」のしくみ、
そしてその行く末を明らかにして、
「怒り」という感情と
健やかに向き合うための
本をつくりたいと思ったのです。
(本書 はじめに より)
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