おのころ心平です。
今日は先生とのトークセミナーの日でした。
なんだか大切なことを受け継ぎました。
セミナー中も話題になったのですが、
医療現場のコミュニケーションにおいて
言葉の背景にある気持ちへの配慮は、
とても重要な意味を持ちますよね。
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カウンセリングの現場においては、
これまで僕が、
多くのがん患者さんと対話してきて
とても覚えている言葉があります。
それは、「絶対」という言葉です。
絶対いけませんよね。
絶対ありえないでしょう。
絶対あの人のせいでしょう。
逆に、
絶対にします。
絶対よくなります。
絶対生還します。
ということを、
みなさんよく口にされていました。
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「絶対」には、
100%か、0%か、
オールオアナッシングという
意図が込められています。
つまり、
「100%正しい」
「100%あの人が悪い」
「完璧にできないならもういい」
「そんな中途半端ならやらなくても同じ」
といった考え方で
これまで生きてきた
という証拠のようなものが、
「絶対」という言葉に
表れるのです。
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しかし、
考えてみれば、
絶対とは「対を絶つ」という意味で、
「対がない」=「関係性がない」
ということを示しているんですね。
この世の中は、
右と左、
北と南、
西と東、
昼と夜、
男と女、
S極とN極など、
「対」になってできていることが
多いのですが、
絶対とは、それを許さない…、
右も左もない、
男も女もない、
よいも悪いもない、
意見の余地がない、
ということなのです。
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「絶対服従」という言葉が
よくその意味をあらわしています。
また、唯一絶対とは、
ほかの追随を許しません。
でも、一方通行で
関係性がない状態だと、
孤立しますよね。
象徴的なことに、
がんは体内で
コミュニケーションを遮断しています。
がん病巣は、
まさにカラダの中で
「対を絶って」、孤立しているのです。
自分が増殖することで、
ほかの細胞の居場所を奪い、
カラダ全体の機能が不均衡になることに
気づけない…、
だから調和が取れないのです。
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絶対、絶対と言ってはいけない、とは
いいません。
でも、この言葉は、
そんなに連発するものではない、
ということを知っておいてほしいのです。