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さて、左右の腎臓が２つある理由は、何でしょう？
僕は、「バランス」をとるためではないかと考えています。
東洋医学では、恐れが、腎を傷つけるとされる
と述べましたが、恐れの反対は、勇気です。
恐れが、安定していたいという欲求なら、
勇気は、新しく自分を変えていきたいという欲求。
そう、腎臓は、「安定」と「変化」のバランスをとる臓器
なのではないかと思うのです。
腎臓は、その誕生過程から
垂直移動という変化を宿命づけられているのですが、
時々、とどまっては、球体形成を行ないます。
これも、変化の時期と安定の時期を
交互に行なっているとみることができます。
腎臓に宿る「腎気」も、
父からのものと母からのものがあるように、
男性的な革新欲求と女性的な安定欲求とが、
ちょうどバランスよく配合されているのかも知れません。
私たちは、伝統と進歩、保守と革新、
「とどまること」と「踏みだす」ことの間で、
いつも揺れ動きながら生きています。
その揺れ動きこそが、
安定的な成長をもたらすのだと思います。
腎臓の内部は、毛細血管の塊（球体）と
上下する尿細管（垂直）とで複雑に構成されていますが、
この構造こそ、変化と安定を象徴していると思うのです。
腎臓に大量の血液が通るのも、
ただただ血液をろ過するためだけではなく、
変化・成長のプロセスを、
血液にそって全身に伝えるためなのかもしれません。
腎臓から学ぶこと
とどまってはいけない。急激な変化もいけない。
ただし、とどまってもいいし、変化してもいい。
それらはすべて、成長のプロセスなのだから。
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