感覚がもたらしてくれるもの。
それは、あなたがこの世界とどうかかわっているかを教えてくれます。
ふだんはあまり意識しませんが、ひとつひとつの感覚に特化してみると、
とても深い経験を、私たちにもたらしてくれていることがわかります。
さあ、今回僕は、「触覚人間」になってみました。
目をつぶって、聴覚、嗅覚などもセーブして、
触覚のみで動きまわってみる。
無為になり、瞑想し、しばらくしたら、
まず外側に意識を向け、そして不意に内側に入る。
僕が、「カラダに共感」するときに用いる手法です。
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そこは触覚のみの世界。
ほかの感覚はまったくなしですよ。
目も見えないし、音も聞こえない、においもしなければ、
もちろん味覚もない。
ただただアメーバのような存在として、
触れる感覚だけを頼りにのそのそします。
***
さて、触覚人間になって過ごしてみると、
何が起きると思いますか?
まず、あちこちぶつかりますよ。
ぶつかる、という感覚、これは触覚のなせる業なんですね。
(当たり前ですけど!)
触覚人間になった僕は、まわりのものをあれこれ触ってみたくなりました。
でも、何が手に触れるかわからないから、けっこう緊張します。
そーっと身の回りを点検しながら、ゆっくりと辺りに触れてゆきます。
そうして、しだいに「外界と自分の距離」というものを知っていくのです。
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触覚人間になってみるまで、触覚というのは
「自分の外側の世界をキャッチするための感覚」
だと思っていました。ところが、違ったのです。
触覚だけに頼って15分も過ごすと、
触れるモノ、モノ、モノの間に
「自分の存在」というものを、はっきりと自覚するのです。
これは意外でした。
なおも、触覚のみに浸ってしばらくいると、
今度は、自分の指先の形、カラダのサイズ、
自分のカラダがどのように空間を埋めているかが、
リアルに感じられました。
***
そうか、触覚って、外界をキャッチするというより、
「自分という存在の輪郭」を教えてくれる感覚なんだ…。
ネコのひげ、昆虫の触角など、考えてみると動物は、
自分のサイズをつねに測っていますね。
あれは、自分がどこにいるかを探っている行為なんだ!
僕らには、そうしたアンテナはないけれど、
かわりに「触れる」という皮膚の感覚が
それを果たしてくれているのです。
触覚は、
「自分がここに存在する」
ための、とっても大切なセンサーだったのです!
***
触覚人間からもどって、ふと、
「自分」という言葉は、まさしく言いえて妙なだな、と思いました。
「自らを分ける」で自分。
触覚は、赤ちゃんが最初に身につける感覚です。
もっと言えば、生物がアメーバとして誕生した時、
最初に感じたのも触覚だったろうと思います。
自分の領域を教えてくれる触覚。
触覚ってすごいな、と思った次第でした。
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