【Q&A】小学6年生女児。9月になると朝起きられず、体調不良で学校を休むことが増えます。 | おのぼり小児科・アレルギー科クリニック 毎月のニュース

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Q:小学6年生女児ですが、この数年9月になると朝起きられず、気持ち悪い、頭が痛いと言って学校を休むことが増えます。どうしたらよいですか?


A;夏休みになると生活のリズムが乱れることが大きな要因です。夜更かし、朝寝坊の生活スタイルが1ヶ月続くと、ヒトの体内時計のリズムが狂ってきます。

本来朝起きると、活動しようとする交感神経が働くのですが、体内時計のリズムの狂いによって、朝起きられない、ご飯を食べられない、頭が痛いなどの不定愁訴が出てきます。

その結果学校を休んだり、遅刻したり、学校に行っても1時間目が終わる頃、頭痛や腹痛のため保健室に行く羽目になります。

ヒトは就寝1~2時間前から、眠気を催すメラトニンというホルモンが分泌されます。ところが夜更かしして、明るい所に居ると、このホルモンが分泌されないため眠くなりません。

しかもこのメラトニンは、生後1歳~5歳時が生涯で最も多く分泌され、起床後14~16時間して、暗くなると脳内の松果体から分泌されます。

つまり、明るい環境では夜になってもメラトニンの分泌が抑制されます。

従って乳幼児期から生活のリズム(早寝・早起き)を確立させておく必要があります。

多くの人の体内時計の周期は、24時間より少し長く設定されています。ところが朝早く光を受けることによって、この周期が短縮され、体内時計と地球時刻とのずれを解消しています。一方、夜光を受けるとすれが拡大し、時差ぼけ状態になります。

その結果不眠になり、疲労し、食欲や意欲が低下し、作業能率が低下し、活動量が低下します。昼間体を動かさないとよい睡眠が得られないため、さらに不眠になり悪循環となります。

しかも最近は9月でも残暑が厳しく、寝苦しく快眠できません。その上運動会の練習があり、体力を消耗し、水分摂取が多くなり、食事から十分栄養がとれなくなります。この状態が続くと慢性疲労状態になり、不登校の原因になります。

そこで快眠を促すポイントとして、

①朝の光を浴びること

②昼間に活動すること

③夜間は外出を控え、暗いところで休むこと

④規則的に食事をとること。夕食は就寝2~3時間前に済ませること

⑤夕方以降はカフェインを含む緑茶、コーラなどは飲まずに、水や麦茶で水分補給すること

⑥夜はゲームやパソコン、携帯電話、刺激の強いテレビを控えること

⑦部屋を薄暗くして、子守歌を歌ったり、体をさすってあげたり、ぬいぐるみや好きなものを持たせてリラックスさせてあげること

⑧寝る前に熱い風呂に入らず、リラックスできるように温めの湯でしっかり汗を流すこと

⑨汗をかきやすいお子さんでは、頭の下や背中にタオルを入れて、快適にしてあげること


などを心がけて十分な睡眠をとるように心がけてください。

早寝・早起き・朝ご飯は、子ども達の生活習慣を考えた時とても大切ですので、日頃から実行してください。一方思春期になると、起立性調節障害(起立性低血圧)になりやすくなります。

朝起きられない、立ちくらみ、めまいを起こしやすい。立っていると気持ち悪くなる。入浴やいやなことを見聞すると気持ち悪くなるなどの症状が特徴です。低血圧が原因です。