グループ展デビューなぞ考えてもいなかった2023年。
以前より気になっていた「遊女人形」をつくっていらっしゃる花さんの展示最終日に駆けつけた。
これは見に行かねばならない!!と思ったものは、見に行くのが主義。
そこから紡がれるモノには必ず意味がある、半世紀を過ぎた齢の女は知っているのである。
そして、実際にそこからつながった「をんな造型展」への出品。
ワタクシのようなオカンアートに毛が生えてその間からちょっと目玉が見えている程度の、こんな素人でも良いのでしょうか。
花さんからの声掛けに「でも!やるんだよ!」の根本敬先生よろしくの度胸で参加をさせていただきます。
皆さん、お手柔らかにお願いします。
江戸押絵ってなに?と思われる方に少しインストラクションを。
私が押絵を始めたのは江戸川乱歩の「押絵と旅する男」がきっかけで、いつか「ひとでなしの恋」で人生を狂わせてしまうような、押絵を見てみたい、作りたい、が心に残っていたからでした。
乱歩作品との出会いは二十歳の頃。
実際に押絵の師匠と偶然出会えたのは48歳です、ちと遅い。
そのあたりで売ってるお土産羽子板とちょっと作り方が違う作り方が古風です。
糊は米糊を作業台の片隅で、ちまちま水とお米を練って都度つくります。
ボンドはつかいません。
貼り付けにつかうのは押絵専用のちいさい鉄ゴテ。
昔は火鉢にかざして使っていたのでしょうが、今は電気コンロで加熱して焼きます。
生地は正絹のハギレ。
着彩は面相筆などを使って顔彩で描いていきます。
押絵には羽子板だけではなく、色紙、屏風などもあります。
錦絵、浮世絵を写し取り、そこから型紙を起こして綿(布団綿)を詰めながらハギレを貼っていく。
その手法で自分が作りたいものを作っています。
今回の展示のために新作も作成中です。
作品数は少ないですが、最初の一歩として参加いたします。
あまり目にすることのない「寿ぎ(ことほぎ)」が全くない押絵をご紹介できればと思います。
絵刺屋蟻八