テレサ・テン(鄧麗君)。まぁ僕らの世代(20代)以上の人なら説明はいらないだろう。「つぐない」「時の流れに身をまかせ」「愛人」は有名である。テレサはスゴイと思う。その凄さは世代の違う人と一緒にカラオケに行った時に気付いた。日本において”テレサは世代を超える歌手”なのである。
そして、テレサは中華圏でも”世代を超える歌手”なのである。香港、台湾をはじめとする全中華圏(大陸、マレーシア、シンガポール、世界各地の全中華街)においてテレサの存在感は絶大の一言につきる。The Beatles、Elvis Presleys、Stevie Wonderと影響力は変わらない。中国人(大陸)を13億人、日本人を1.3億人、台湾人0.2億人と考えて計算しても14.5億人。これに香港、シンガポール、マレーシア華僑…と考えたら彼女の活動範囲がどれだけ大きいのかは分かるだろう。NYの中華街のCD屋でテレサのCDを手に取ってた人は僕より若かったという思い出もある。
テレサは蒋介石と共に台湾に移った国民党軍人の娘として53年に台湾で生まれる。12歳でレコード会社のコンクールで優勝し、13歳にテレビ局の専属歌手になる。まぁ詳細は省くが、中国語、広東語、台湾語、福建語、日本語、インドネシア語でCDを出し、こと、80年代においては台湾、香港、日本で人気を不動のものとしている。80年代の日本の活動だけでも日本有線大賞やレコード大賞金賞、紅白出場と華々しい。中華圏でも80年に「何日君再来」が各地で大ヒットしたが、大陸では中国共産党に放送禁止曲と指定されていたにも関わらず隠れて大ヒットした。また、中国共産党の”精神汚染一掃キャンペーン”の対象の歌手となり、後に総書記がテレサの名誉回復をするといったエピソードも80年代の彼女は持っている。そしてご存知の通り、95年の僕の誕生日にタイのチェンマイで亡くなっている。
このアルバム「百花齊放4CD鄧麗君」は、香港環球(香港ユニバーサル)が04年に出した百花齊放シリーズというベスト集のテレサ版。正直、テレサのベスト盤はあまりに多すぎる。彼女無き今、ベスト盤しか出せないのが実情だ。だからいかに聞きたい曲が収録されるのかが購入の決め手だと思う。僕が選んだ理由は「千言萬語」「何日君再来」「小城故事」「甜蜜蜜」が収録されているほか、王菲(フェイ・ウォン)がカバーした「但願人長久」、Fish 梁静茄がライブでカバーした「南海姑娘」、David陶喆がカバーまたはサンプリングしている「夜來香」「月亮代表我的心」、無聞道(インファーナル・アフェア)でAndyがTonyの店でオーディオを選ぶ時に聞く「獨上西樓」(映画で使われたのがテレサのVersionかは不明)が聞けたからだ。 CDは1,2枚目が中国語、3枚目が広東語(ネイとかサイとか言ってるから広東語と思われる)4枚目が日本で出した曲の中国語カバーだ。
台湾、香港、どの中華圏の音楽を掘り下げても必ずぶち当たる”鄧麗君”という大きな岩。日本では出稼ぎ歌手程度にしか知られてないが、テレサ・テンの凄さには本当に驚く。そして音楽ってスゴイなぁと痛感する。今日は週末だからゆっくり4枚聞きながら家事をした。今度は台湾語の「望春風」のテレサ版や福建語盤が聞きたいと思った。
