コンピューターを最高指揮官とした災害派遣専門部隊は作業服、階級章、部隊章のデザインさえ決まっていなかった。

いろいろなものをデザインをするのは、コンピューターは得意だ。そうやって出来たものを他のコンピューターが商標権に違反してないか差別的表現になっていないかといったことを審査する。そうやって決まった候補作を水沢隊長が2、3作選ぶ。そして最後にコンピューターが決定する。

そういった仕事はまだ水沢隊長のコンピューターには届いていなかった。水沢隊長は届いたら部下にも手伝ってもらおうと考えた。

俺の仕事はまず、部下になる候補者の顔と名前を覚えることだな。

エリートというのは本来、選民という意味で優秀という意味ではない。コンピューターはどういう基準で隊員を選んだのか? 全員の身上書を印刷して見比べてみよう。

配備されているガンダムより2つほど多い数の身上書が印刷される。

みんな今年高校を卒業した新隊員。ほとんどの隊員が学校を長期欠席したという注釈があるな。いや、全員だ。今日来た村山は生年月日を間違えていないか? よく学歴を見ると、中学を卒業してから高校にに入学するのに1年空いている。高校浪人したわけか。その村山は何をしている? コンピューターで自衛隊法を勉強しているのか。

不登校といえば、ひきこもり。俺はあまり外出をしなかった。それで俺はコンピューターに選ばれたのか。

水沢隊長は、自分の存在意義について考えた。

部隊についた頃、コンピューターがフリーズしているのを見つけた。コンピューター全機ではない。何かの計算をしていた1台のコンピューターだ。

調べてみると、ガンダムの移動法が考えてフリーズしたようだった。それで、部隊は建設中の基地に移動される予定であることが分かった。ガンダムをトレーラーで運ぶのに、トレーラーの幅員で通れる道路が目的地までなかったからだ。

「ガンダムを自力で飛行させて移動させればいいのでは、ないか?

と、そのコンピューターに提案した。コンピューターはその提案を受け入れた。

コンピューターのAIは膨大な学習データによって答えを出すのであって、全くの無の状態から人間のように発想をすることは不可能だった。

それから、コンピューターは水沢隊長の部下を受け入れる計算結果を出したようだった。

ぼくはコミュ障なので、幹部隊員にどう挨拶すればいいかとっさに分からなかった。だが、ハッとなって挙手の敬礼をした。

隊長はキレイな答礼をしてくれた。相手が手をおろすまでは、こちらは手をおろせない。相手は、ゆとりをもったスピードで手をおろしてくれた。

「そう、緊張しなくていい。私は防衛大学を卒業して1年目だ」

「自分は戦闘服を返納してしまったのですが」

「ああ、服か。まだ、特務部隊の被服類はできていないんだ。制服では、堅苦しいな。いま、この基地にいる人間は私と村山2士の二人だけだ。上下私服のジャージにしていてもいい。ぼくの左にいるロボットに部屋を案内してもらうといい。着替えをしたら、基地内を案内してもらいなさい」

ぼくは、ロボットについて行きながら思った。いまは、お客さんということか。