―日本人のフィルタリングが始まった。法に縛られずとも、男女の無償の愛を受けて育った男女だけが繁栄すれば良い―


えっ? 何? そらみみ? 神の啓示?

ぼくは回りを見回した。いや、神様が中学を不登校した人間に啓示を与えるはずがないな。

フィルタリング。人間のフィルタリング。

日本の社会が日本の学校に要求している機能は、子供のフィルタリングでないのか? ぼくはそのフィルタリングに通れなくなっていた。ちゃんと、勉強するんだ。予備校へは、きちんと行って高校に合格する。

あと、爆発事故のニュースは書いてあるかな?

その記事によると、6日午後0時半頃に日本全国のテレビ局のコンピューターが一斉にサイバー攻撃を受けたと報じ、ポルノ映画、アダルトビデオ、裏ビデオ、映画ドラマを放送し始めた。だがBPO、民放連といったテレビ局を監視するような団体は解散している。警察に本紙が通報すると、現在は猥褻物陳列罪といったものを取り締まる条文は刑法にないのだという。

その条文の罪名だけでなく、不同意性交罪とか強制猥褻の刑法の条文、児童買春防止法、児童ポルノ法、売春防止法などは現在の日本にはないのだという。これは、国会により法令どおりなくなったのだという。

そして、家族計画補助法という恐ろしい法律が成立しているという。これは生後1年未満の乳児を親権者が処分しても殺人罪や死体遺棄罪には問われないというのだ。

憲法違反ではないかと言うと、日本国憲法は停止された状態にあると言う。

朝がきた。世界が終わったりなんかしていない。当たり前だ。台所へ行くと、テレビがかけられていない。テレビのリモコンをもつと、

「テレビをかけるんじゃない」と父が不機嫌そうに言った。父の言う通りにする。

朝食の準備は弟優先。弟は学校へ行き、両親は仕事へ行く。ぼくは母に今日は洗濯や家で掃除機をかけるようにとは言われなかった。

昨日の地震は何だったのだろ? そうだ、新聞を読もう。

〈日本全国のテレビ局にサイバー攻撃〉という記事がトップニュースだった。