スージー・リーに魅せられて | つながっていこう~オンライン版絵本で支援プロジェクト【公式ブログ】

 

チューリップ千葉のひろこですチューリップ

 

4月に入り急に暖かくなりました。

桜もチューリップもどんどん咲き始めていますね。

昨日のブログで、

ゆかぽんが紹介してくれた

去年のチューリップ🌷

今年の佐倉ふるさと広場の

チューリップは、もうすこし!

城址公園の桜は来週見ごろに

なると思います🌸

 

 

 
さて、先月3月17日に日比谷図書文化館で開催された、JBBY50周年国際子どもの本の日 記念来日講演会

スージー・リー「絵本がつなぐ世界」に参加しました。その時のお話をしたいと思います。

 

スージー・リーさんのプロフィール

韓国・ソウル生まれ。ソウル大学卒業後、ロンドンのキャンバーウェル芸術大学で学ぶ。絵本作品はヨーロッパ、アメリカ、アジアの国々で出版され、高く評価されている。邦訳作品に『なみ』『かげ』(以上 講談社)『せん』(岩波書店)などがある。2022年国際アンデルセン賞・画家賞受賞。

 

               絵本ナビより

 

私が、スージー・リーさんの絵本に出会ったのは、絵本探求ゼミ(ミッキー絵本ゼミ)4期の絵本の技法で「せん」についてグループ発表で取り上げた時の事でした。

 

技法としての「線」を知り、絵本の中に様々な「線」があることに注目しました。

・絵本にはどんな線が描かれているだろうか?
・線で表現しているものは何か?
・それぞれの絵本で、その線が持つ意味は何か?

絵本の作り手が技法を使い、意味を持って描かれた「線」を、読み手や聞き手、子どもは、どう感じているのだろうか。読み手聞き手の立場から「線」を考えました。

 

「せん」の絵本リスト


1⃣ 線が主人公になっている。

  線によって物語が出来ている本
2⃣ 境界線の表現
3⃣ 輪郭線
4⃣ 科学絵本 (グラフや表)
5⃣ 感情を表す線

 

グループで調べた中に、スージーさんの絵本がいくつかありました。

 

この絵本のどれもが絵本の真ん中の閉じてある部分「ノド」を使って物語が作られています。

この「ノド」を境にして想像と現実の世界を表現する作りになっているそうです。

そして、どの作品にも文字がありません。絵本の中に文字がないことで絵をしっかりと読み物語は、あなたの中にあるから自分自身の物語として楽しめるとおっしゃっていました。

 

・『せん』岩波書店 2018年10月

これは線が主人公になっている絵本です。

表紙のカバーを見てみると右端がツルンとしたまるで氷のスケートリンクのよう。真ん中には鉛筆、左には消しゴムが。そしてたくさんの曲線が描かれ女の子がスケートをしています。

文字がないのですが、ページを捲るたびにスケートで滑る音や曲などが聞こえてくるような感じがします。

スージーさんはスケートが大好きで、お子さんたちともスケートに行かれたそうです。その時の滑った跡の線がとても素晴らしくて絵本にしたいと思ったそうです。

 

・『なみ』講談社 2009年7月

海辺で女の子が波と遊んでいる様子が描かれています。

文字がありませんが波の音や海のにおいが感じられます。

水色と白と黒、ノドで海と浜辺を表現している。

空白が広いことで想像力が広がりそれぞれの物語がみえてくる。

これを読んだ子ども達が空白の部分に言葉をつけてくれたものを見せてくださいました。

 

この二冊の絵本を初めて見た時からページを捲りワクワク感でいっぱいでした。

 

 

講演会の最初にスージーさんは、「絵本は境界線を越えて歩いて行けるところ。ページを捲ることで触れられる考えや物語は頭の中にある」

ロンドンの大学に留学した時に「不思議な国のアリス」を題材にした絵本を作りたいと考え作られたとのこと。

その時の思いが「絵本は一つの舞台である」ページを捲ると物語が始まり閉じると物語が終わる。」と話されました。

 

まだ、日本では出版されていませんが『夏が来る』という絵本があります。

ビバルディー四季「夏」を子ども達と聴いているときに感じたことを絵本にしたそうです。

QRコードが付いているそうです。

会場で見せてくださいましたが、ページを捲るごとに曲に合わせて絵が動いているように感じましたピンク音符ピンク音符ピンク音符

 

最後にスージーさんは、次に向けては「アナログとデジタルの境界」と話されていました。

 

 

次々にスージー・リー作の絵本が出版されてます。

 

『なんていいひ』

リチャード・ジャクソン/文 スージー・リー/絵

東直子/訳 小学館

 

『どうぶつえん』

作:スージー・リー 訳: 松岡 礼子 姜 汶政

サウザンブックス社 2024年3月

 

『いつかまたあおうね』

バット・ジトロー・ミラー/文 スージー・リー/絵

かみやにじ/訳 偕成社 (5月発売)

 

 
そばに置いておきたくなる絵本たちが、また増えそうです飛び出すハート