時間がゆっくりと流れる読書空間「鈍考」 | つながっていこう~オンライン版絵本で支援プロジェクト【公式ブログ】

こんにちは、京都のくぼちゃんです。

三寒四温を繰り返しながら、膨らむ桜のつぼみが春の到来を告げるこのごろです。

昨年の5月、ブックディレクターの幅 允孝(はば よしたか)さんが、京都・洛北にある自邸を兼ねたプライベートな図書室、「鈍考」をオープンされました。今回は、その静謐で豊かな空間で時間がゆっくりと流れる中、読書体験をしてきました。

昨年、ミッキーさんが京都に来られた際に教えていただいたのですが、予約が取れず行くことができませんでした。その時は、どのような図書室なのか十分に理解できていませんでした。しかし、3月1日のめめさんのブログから、幅さんのことを知り、繋がりました。

幅さんは、常々「本は遅効性のもの」とおっしゃっています。幅さんが膨大なアーカイブから、“2回以上読み返したいもの”と、セレクトされた約3,000冊の蔵書が本棚に並びます。そして、お部屋の一角にある「喫茶 芳」で、奥様が丁寧に淹れた自家焙煎珈琲をいただけるのです。この図書室の魅力の一つです。

アクセスは、出町柳駅から八瀬行きの叡山電車に乗り、「三宅八幡」駅で下車し、歩いて10分ほどです。

 

私にとっては、出身中学校の校区でもあり、懐かしいエリアです。比叡山の麓の住宅街にあります。

 

「鈍考donkou/喫茶 芳 Kissa Fang」

 

木のぬくもりがあるとても心地良い空間でした。

スマホはボックスに預けることが出来るので預けました。利用時間の90分は、スマホなしで過ごせる時間の目安だそうです。

本のジャンルは多岐にわたり、独自の分類でカテゴライズされています。もちろん絵本も沢山ありました。深くゆったり座れる椅子に腰かけてもいいし、畳のところに腰かけてもいいし、テラスへ出てもいいし、本棚から手に取った本を好きなところで読むことができます。テラスに出ると、鳥が囀り、近くに流れる梅谷川のせせらぎが聞こえます。頬にふれる心地よい風、まだちょっと冷たかったけれど、春を感じました。自然と調和した空間でした。

凛とした佇まい。そこに流れる静かな時間。静かな中で、珈琲豆を挽く音、ぽたぽたと珈琲の抽出される音が、響きます。いい香りがお部屋中に広がります。

(お写真は、許可を得て撮らせていただきました)

「本はものすごくよく喋るというものではないんですね。紙に留まっていますから。だとすると、読んだ人が紹介していくしかないと思っています。」幅はそう言う。『本の声を聴け ブックディレクター幅 允孝の仕事』(高瀬 毅著/文藝春秋/2013年)より

絵本も同じだなと思いました。

 

「鈍考/喫茶 芳 」

WEB予約制

1枠(90分)定員6名
施設使用料+珈琲1杯 ¥2,000(税別)

基本営業日 水曜日〜土曜日
11:00~12:30(第1部)
13:00~14:30(第2部)
15:00~16:30(第3部)

 

近くに赤山禅院があります。

赤山禅院は、比叡山延暦寺の塔頭寺院として創建され、都の表鬼門(北東)に位置し、1,100年以上、京の都を守ってきた方除けのお寺です。秋は、もみじが美しく、別名「もみじ寺」と言われています。

 

屋根の上に、金色の御幣とかぐら鈴を持った鬼門除けの神猿がいます。神猿が見つめる先は京都御所、京の都に邪気が入ってこないように見守っています。代替わりした新米神猿です。北東に延暦寺があります。

 

先輩の神猿は屋根から降りて、拝殿に向って建てられた猿小屋から、新米猿の教育指導にあたっているそうです。

 

また、都七福神めぐりの一つ、福禄寿のお寺としても有名です。

 

福録寿のお姿みくじが人気です。毎年、仲秋の名月の日には「ぜんそく封じのへちま加持」が行われます。千日回峰行を満行した大阿闍梨(あじゃり)さんがご祈祷してくださいます。

 

三宅八幡宮へも行きました。遣隋使 小野妹子によって創建された神社がはじまりです。特に、こどもの守り神として信仰されています。
神様の使徒は。見えにくいかもわかりませんが、狛犬ならぬ狛鳩が迎えてくれます。

 

子供の成長を祈る願掛けの神鳩置物をはじめとして、鳩の絵馬おみくじなど、境内には、あちらこちらに鳩のモチーフを発見することができます。

 

 

境内の茶店「ぽっぽ」で、名物の門前菓子、鳩餅と薬草セットをいただいて、ほっこり一休みして帰ってきました。

 

 

「鈍考」で見つけた絵本を最後にご紹介します。

『そりゃあもういいひだったよ』

作: 荒井 良二

出版社:小学館
発行日:2016年2月24日

ぬいぐるみのクマが、初めてもらった手紙に大喜び! 手紙をくれた相手の元をたずねて旅をします。この絵本を読んだ後、元気が出ます!ポジティブな言葉は、他人にも前向きな気持ちを与えることができると感じました。言葉の力を実感します。どんなことも楽しむことのできるぬいぐるみのクマくんが登場し、ほのぼのとした雰囲気に包まれます。また、荒井良二さんの絵が心を癒してくれます。

 

今日は、そりゃあもういい日だったよと言えるきょう一日でした。