こんにちは!東京のかこです。
今月は私が「わらべうたっていいね♪」を担当します。
暦の上では春を迎え、寒かった冬も少しずつ少しずつほどけるようにして、三寒四温を繰り返し、春へと進んでいますね。
昨日、自転車でご近所を走っていて、ぷ~んと良い香りがしたと思ったら、こんな美しいしだれ梅が咲いていました。
その近くにはモクレンの蕾も膨らんでいました。(コブシとモクレンは蕾も似ていますが、モクレンは全部の蕾が上を向いてついていて、コブシは上下左右ランダムに向いているので見分けがつくそうです)
こうして陽射しが伸びてきて自然が春にむかって準備している時って、気持ちもなんとなく前向きになっていきますね。
さて、私は昨年4月から幼稚園の年少組で、支援の必要なお子さんのサポートに入っています。完全にその子のサポートが任務なので、クラスの様子はずっと観察していますが、あくまでも黒子の役目でした。
ただ、これまでに3回ほど未就園児向けにわらべうたの会をさせていただいていたので、担任の先生から年少組でもぜひやってくれませんか?と依頼され、先日設定保育の時間まるまるいただいてわらべうたとおはなし、そして絵本を組み合わせたプログラムを実施してきました。
その様子は、自分の個人のブログに記録しています。このプログラムでは素話をふたつ、絵本を2冊、そしてたくさんのわらべうたをやりました。
全体のプログラムは、そちらで見てもらうとして・・・今日はプログラムの後半でやった布を使ったわらべうたと、遊びに使う布について紹介しますね。
遊びに使う布は、子どもの本の専門店や保育教材のお店で「シフォン布」として売っていると思いますが、私はそれではなく「スパークハーフ」という布を今では使っています。
私も当初シフォン布を使っていましたが、市販のものは小さなお子さんが扱うには大きすぎるし、自分で買ってきて端始末をして使っていましたがどうしてもほつれて端糸が出てきてしまうのが気になっていました。
そんな時、ある保育園の先生が「スパークハーフ」を使うと断ちっぱなしでも端糸がほつれてこなくて良いですよと教えてくださったのです。それ以来、「スパークハーフ」を使っています。
ユザワヤなどの大手手芸用品店の布売り場で巾2メートルで1メートル買っても900円前後、1メートルあれば、25センチ四方であれば32枚取れます。
近くに大型手芸用品店がない場合は楽天市場でも購入できます。
(→こちら)
こんな感じで、向こうが見えて、赤ちゃんと一緒に「じぃじぃばあ」をやっても、こわがらずに楽しんでくれます。
また、薄くて乾きやすいので、子どもたちが使った後にさっと洗って干しても30分もあれば乾いてしまうところも嬉しいですね!
では布を使った一連のわらべうた遊びをご紹介します。これはひとつの流れになっています。以前、勤務していた図書館に来ていたボランティアさんから教えていただき、それ以来私もこの流れで遊んでいます。
【えんやらもものき】
♪えんやら もものき ももがなったら だれにやろ 〇〇ちゃんにあげよか 〇〇ちゃんにあげよか♪
このわらべうたを歌いながらカゴにいれた布を「〇〇ちゃんにあげよか」とひとりひとりの名前を入れて一人一人に配っていきます。
幼稚園では30人以上いるので、繰り返しの部分を6人分くらい続けました。
【じぃじぃばあ】
♪じぃじぃばあ~ じぃじぃばあ~ ちりん ぽろんと とんでったー♪
まずは、子どもたちに布を手に取って感触を楽しんでもらいます。「じぃじぃ」で布を顔の前にひろげ、「ばあー」で顔を出す、そう「いないいないばあ」をします。
「ちりんぽろんと」で布を左右に振って、「とんでったー」で思いっきり飛ばします。
赤ちゃんにしてあげる時は、そっと顔の前に落とすだけでもいいのですが、自分で扱えるようになると、思いっきり飛ばすのが楽しくて何度でもやってみたくなります。
そこで、「もっともっと飛ばしてみようか?」と声をかけて、次のわらべうたを歌います。
【ちゅっちゅこっこ】
♪ちゅっちゅこっこ とまれ とまらにゃ とんでけ~♪
片手で布を持ち、「ちゅっちゅこっこ とまれ とまらにゃ」と歌いながら全身を使って布を上下に振った後に、「とんでけ~」で思いっきり布を投げ上げます。
年少組の子どもたちは自然と椅子から立ち上がって「とんでけ~」と飛ばしてくれます。上手な子は足の屈伸もいれて飛び上がって布が天井に届くくらいまで投げ上げます。
この遊び、子どもたちの縮こまった心を解きほぐす力があるようです。いつもは消極的な子も参加して楽しんでくれました。
以前、ある図書館でわらべうた講座をやった時、初めての場所で物怖じしてお父さんの陰に隠れてじぃ~と見てるだけのお子さんがいました。この遊びをしはじめたら、出てきて布を受け取り、最初はお父さんのそばで、最後は輪の真ん中まで出てきて、声をあげて笑いながら布を飛ばしていました。
単に布を投げ上げる、飛ばすだけなのですが、それと共に心を開放し浮き上がらせてくれる力を持っているようです。終了後には図書館のスタッフとハイタッチして帰っていった姿が印象的でした。
この遊びを、心行くまで数回、いや10回くらいやったら、少し落ち着くように子どもたちを促して、座ってもらいます。
「いっぱい飛ばして楽しかったね。じゃあ、今度はその布を全部おてての中に隠してみて~黄色いのが見えないように、全部だよ~」と言いながら、次のわらべうたを歌います。
【にぎりぱっちり】
♪にぎり ぱっちり たてよこ ひよこ(繰り返し)♪ピヨピヨピヨ
手の中に布を全部丸めて握り、握った手を左右に動かして、2回繰り返して歌った後、「ピヨピヨピヨ」と言いながら手を開きます。すると布の復元力でぱあ~っと広がって、黄色いひよこがまるで生まれてきたみたいに見えますよ!
「今度はね、使った布をお洗濯してもどしてもらうね」と言いながら、次のわらべうたを歌います。
【ももや ももや】
♪ももや ももや ながれははやい せんたくすれば きものがぬれる♪(あーどっこいしょ)
布を両手でもって少し前傾して左右にゆっくり動かしながらお洗濯。「あーどっこいしょ」と声を出しながら腰を伸ばします。
「次はぞうさんになってお洗濯しようか」と言って、少し音程をさげ、ゆっくりゆっくり歌います。左右に揺らす動作も大きく、おおげさにします。
「次はありさんになってお洗濯するよ」「ありさんのハンカチ、小さいから流されないようにしっかり持ってね」と声をかけて、両端を握りしめて高い音程で倍の速さで歌います。
「お洗濯、出来たね~さて、このハンカチ、今はびしょぬれだよ?どうしようか」と言いながら、子どもたちの反応を聞きます。そして「じゃあ、絞ってね」といいながら、雑巾絞りの手つきをゆっくりと教えてあげながら、子どもたちが雑巾絞りができるように声かけをしてあげます。
右と左の手が逆に回転する雑巾絞りを体験したことがない子も多いので、ここで時間を取って教えてあげましょう。
「しっかり絞れたね。そうしたらこのままで干してもいい?」と聞きます。そして「きっとおうちの人がしているところ、見たことがあると思うけど、干す前にはね、ぱっぱと振ってしわを伸ばすよ~」と言って、左右上下にしっかりしわを伸ばすように伝えます。
「じゃあ、お日様に干そうね」といって次のわらべうたを歌います。
【おてんとさん】
♪おてんとさん おてんとさん てぬぐいおかせ それがいやなら ひをおかせ♪
布を両手でもって、お日様にかざすように上下に動かしながら歌います。一度歌って「乾いたかな?」と確かめ、時間によっては「今日はいい天気だから一回で乾いたね~」とか、「今日は曇ってるからもう一度やってみよね」と2,3回繰り返して歌ったりします。
「乾いたら、今度は布にアイロンをかけてね」と手でしわ伸ばしをしてもらい、「そうしたら半分に折って、もう一度折ってみて!」と四つ折りにしてもらいます。手でしわを伸ばすってことを声をかけると、上手にたたむことが出来るようになります。
「では、布をかごに入れていってね」と声をかけて、次のわらべうたを歌います。
【もどろ もどろ】
♪もどろ もどろ もものは もどろ かえろ かえろ かきのは かえろ♪
全員の子どもたちのところを順番に回って布をかごに入れていってもらいます。
これで一連の布を使った遊びは終了。
どんな年齢の子どもでも楽しめるプログラムです。
なお、このわらべうた、子どもたちが普段使っているハンカチやハンドタオルでも遊べます。(コロナ禍では、各自が持参してきたものでという図書館などの要望もあり、スパークハーフ布を使わないこともたくさんありました。)
新幹線に乗っていた時に、前の席の赤ちゃんがぐずっていて、しかも後ろの席の私に顔が見えるように抱いていらしたので、私がハンドタオルで「じぃじぃばあ」をしたら泣き止んで笑ってくれたこともありました♪
いつでも、どこでも、遊べるわらべうたです。
ぜひ布を使ったわらべうたの遊びにも挑戦してみてくださいね♪