『ちよにやちよに あいの歌 きみがよの旅』 /Guest writer:翻訳家 山本ミッシェール | つながっていこう~オンライン版絵本で支援プロジェクト【公式ブログ】


 

こんにちは、山本ミッシェールです。

 

 

この度、7月9日に出版された絵本、

『ちよにやちよに あいの歌 きみがよの旅』

の翻訳とバイリンガル朗読を担当しました!


『ちよにやちよに ~愛のうた きみがよの旅 ~ An Eternity The Journey of a Love Song』(バイリンガル和英対訳絵本 )
文 白駒 妃登美   絵 吉澤 みか
英訳 山本 ミッシェール
プロデュース 松岡 沙英
発行:文屋 2021年7月9日


 

戦後から「君が代」は国歌でありながら、国民全員に歌ってもらうことが出来ないとてもデリケートな立ち位置にある。しかし、歴史を紐解くと「君が代」は平安時代のある女性が大切な人を思いやり送った一首の和歌だった。

今回、絵本会の仲間に『ちよにやちよに あいの歌 きみがよの旅』の翻訳と制作チームに声をかけてもらったことで、君が代の元歌となった古今和歌集の和歌は「1100年以上前のラブレター」だったと聞きました。私の中に植え付けられていた、理解ができないマイナス感情の魔法が解けて、私は初めて「君が代」の本当の姿を目にして感動しました。

一人の女性が詠んだ、詠み人知らずの一首の和歌は多くの人の心をとらえ、千年以上も人々に歌い継がれてきた「愛の歌」です。世界のどこを見渡しても、この少ない言葉数でいとおしい人、大切にしたい家族、平和の願う想い歌った国歌は類をみません。

本の作者である「博多の歴女」として数々のメディアで活躍されている白駒 妃登美さんは絵本の中でやさしく語りかけます。そして「君が代」は「時空を超える愛」を歌った歌だと伝えます。翻訳をするにあたり、余計な意訳や解釈は入れることなく、言葉そのものをとらえて英語にすることを心掛けました。どうしてかというと、白駒さんが書かれる文章や、歌の心に意味をつけるのは読者だからだと考えたからです。

これまで、「君が代」には日本国政府は歌詞の意味を発表することはありませんでしたが、国歌になってからの100年ほどで、非公式の翻訳はいくつもつけられてきました。しかしそれらの多くは意訳されたものでした。
私は、本の中では「君が代」と元歌になった「わが君」で始まる和歌にも新しい翻訳をつけ、「君が代」が本来持つシンプルな言葉で深い気持ちを伝える真の姿を英語でも伝えることを大切にしました。


絵本だからできることはやさしい言葉で、和歌の心をやさしく、しっかりと伝えることです。バイリンガル絵本だからできることもこれからたくさんあります。海外で日本の国歌の持つあたたかな真心を伝えることが出来ます。
私は子供のころから5つの国で生活してきましたが、日本の国歌について話そうと思ったことはありませんでした。なぜならばその「心」を知らなかったから。


でもこれからは違います。
胸を張って、伝えたい

「日本の国歌はラブレターです」

 

 



◆出版社:文屋HP


◆Amazon Link

 

 

 

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今日のGuest:山本ミッシェールさんは、
NHK Worldキャスター・リポーター、バイリンガルMC、大学非常勤講師、翻訳家・・・と八面六臂!様々なお顔を持つ才色兼備ながら、誰にでも明るくラフに接して下さる素敵な女性です。
アメリカでお生まれになり、海外経験も長いミッシェールさんですが、「和の美しさ」にもひときわの思いがあるのですね。
言の葉と心の機微豊かな国、日本人にうまれたことに思いを寄せ、誇りに思うことができました。ご寄稿に感謝いたします。

この本の出版に寄せる6/26付のみちゃちゃの部屋の記事も併せてご覧下さい。また、出版社サイトには「寄付本プロジェクト」の詳細も掲載されています。
この絵本が
大切に大切に世に出されたことを感じます。

編集局 たかたか