子育てが苦しいと感じているあなたへ / Guest Writer : まりりん | つながっていこう~オンライン版絵本で支援プロジェクト【公式ブログ】

 

本屋さんで絵本を見かけると、必ずといっていいほど生まれてくる感情があります。
それは

「子どもが小さい頃に、もっと本を読んであげればよかった」

という後悔の念です。

既に、私の二人の子どもたちは成人し、一人は結婚しています。
彼らが幼かったころのことを、最近よく思い出します。

当時私は会社員で、
仕事と子育てに追われる日々を送っていました。

会社から帰ると、すぐにご飯を作り、子どもたちをお風呂に入れ、明日の保育園の支度や、連絡帳のチェック、歯磨きの仕上げなど。。。

たくさんあるタスクをとにかくこなし、子どもが寝不足にならないよう、一刻も早く寝かせなくちゃ。。。。
そんなことを考える毎日でした。

残業も多く、保育園のお迎えの時間に間に合わないことも度々。

自転車を飛ばして保育園に向かうと、子どものクラスのお部屋だけ電気がついている。
他の子どもたちはみんなお迎えが来て帰っている。
お部屋の隅に遅番の先生と二人きり。
先生のお膝の上で絵本を読んでもらっている。

そんな息子の姿を見る夜は、家に帰る途中、自転車に乗りながら涙が出てきます。

淋しい思いをさせてごめんね。
たくさん遊んであげられないお母さんで、ごめんね。と。

よく、自分を責めたものです。

泣いている私に気づいた子どもが
「お腹が痛いの?会社で、嫌なことがあったの?」と
心配をして声をかけてくれる日もありました。

子どもに余計な心配をかけてしまう自分をさらに責めたりしていました。

ある時、年の離れた先輩ママに相談をしたことがあります。
仕事を辞めたほうが、子供のためなのではないか。
そんな風に思ったのです。

その時、先輩ママは言いました。


「麻理さん、子どもたちはお母さんが頑張っている姿をちゃんと見ているのよ。
自分が信じた道を歩く親の背中を見て、子どもは成長していくもの。
どれだけ愛情をかけられるかは、子どもとのコミュニケーションの「量」ではなく「質」が大事なのよ


そう教えてくれました。
この言葉は、その後の私にとって、何度支えになったことか。

先輩ママからの励ましを受け、私は息子と一緒に本屋さんへ行きました。
子どもが気に入った本を一冊購入し、夜寝る前に読むことにしました。

何匹ものクマが出てくるお話でした。
一頭一頭、クマの声色を変えながら、息子が喜ぶように抑揚をつけて。
1ページ1ページ、心を込めて。愛情を込めて。
丁寧に、丁寧に読みました。


家には何冊か絵本がありましたが、寝る前は、決まってその本を持ってきます。
疲れている日は、声が一本調子になってしまうのですが、「もっとしっかり読んで!」とリクエストが来るため(笑)、まるで声優さんになったように演技も入れ、子供も私も全部のセリフを覚えるくらい。繰り返し、繰り返し読みました。

(ときには子どもより先に私が寝落ちしていることもあり、朝方メイクを落としにお風呂場に向かう・・・なんてこともしばしば。それも今では良い想い出^^)

時間にも気持ちにも余裕のなかったあの頃。
毎日が必死で。とにかく子供が熱を出しませんように、ということと有休はあと何日残っている?なんてことばかり気にしている毎日。

そんなドタバタな日々の中でも、二人の子どもたちが優しく、愛情あふれる大人に成長してくれたのは、あのときの絵本の時間があったからではないかと思っています。

子育てはあっという間に終わってしまう。
あのときはわからなかったけれど、大変な時期って、ほんの一瞬だったのだな、と思います。

いま、仕事と子育ての両立に苦しんでいる親御さんたち。
これがず〜っと続くと思うとキツイけれど、
振り返ってみると子どもの成長は想像以上に早く過ぎてしまいます。

だから。

お子さんたちとの時間を大切に、
思い出に残る時間をたくさん過ごしてくださいね。

応援しています!



網野 麻理

 

 

 

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お子さんが寝る前によく読んであげた絵本って

何だったのだろう?と気になり、

お尋ねしてみました。


こちらでした(*´ω`*) ⇓ 

 

表紙:ジャッキーのパンやさん
『ジャッキーのパンやさん』

作: あいはら ひろゆき
絵: あだち なみ
出版社: ブロンズ新社  発行年月 2003/2

 


昨年、スタートしたばかりの絵本会で、まりりんは第2回目のMCだったのをよく覚えています。まりりんがそこにいるだけで華やか!そして、その存在感と安心感は圧倒的でした。言葉を一つ一つ丁寧に選びながら、凛とした笑顔でこなすそのあり方には学ぶものが多かったです。子育てもそうだったのですね。今日はお母さんたちへの応援。絵本会も立上げからずっと応援して下さり、ありがとうございます。

編集部 たかたか)