みなさんこんにちは!札幌から参加しているのりちゃんです。
子どもの頃の読書体験の大切さがいろいろなところで語られています。
絵本が好きな方にはやはり子どもの頃にたくさん読み聞かせをしてもらった体験がある人、子どもの頃から読書が好きだった方も多いようです。
1冊の本との出会いから人生が変わるような体験をされる方もいらっしゃいますね。
私自身の読書体験を思い出してみると1冊の絵本を思い出しました。
きつねの窓 文:安房直子 絵:折茂恭子
ポプラ社 1977年
私がこの絵本と出会ったのは小学校の図書室でした。小学校3・4年生くらいだったでしょうか。
時々担任の先生が、図書室で自由に本を読んで良い時間を作ってくれていました。
その時ふと手に取って読んでみて、とても衝撃を受けたのを今でも覚えています。
小学生の私には「大人みたいな本(お話)」に感じたのです。
主人公は鉄砲をかついで歩く青年。いつもの森を歩いていたはずが、突然幻想的な青いききょうの花畑に迷い込んでしまうのです。そら恐ろしいほどに美しいその場所でふとあらわれた「そめものききょう屋」と店員の小さな男の子。
指を染めてその指でひし形の窓をつくるともう会えない人、場所が見える・・・という男の子の店員の言葉にひとりぼっちの青年は心躍らせて指を染めるのです。
するとそこには昔大好きだったもうけっしてあえない少女や、子どもの頃に住んでいた懐かしい家、死んでしまった妹・・・失われてしまった大切なものがよみがえるのです。
さらにお話は続きます。その男の子はいったい誰?!染めた指はどうなってしまうの?
この後はぜひ読んでみてください。
なんともせつなく、美しいお話にすっかり夢中になり、私もこっそり絵の具で指を染めてみたことを思い出します。失われてしまったもの、もう会えない人、かけがえのないものの大切さ。
喜びも悲しみも孤独も描かれているのです。小学生の私には抱えきれないほどでした。
絵もとても美しく、特にききょうの紫の色に魅了されて、どのページもじっくり見ていたこと、窓に現れた麦わら帽子に花柄のワンピースを着た初恋の女の子がとても可愛くて憧れたことなど懐かしく思い出します。
安房直子さんの絵本は他にも何冊か持っていますが、最近、安房直子さんに詳しいお友達に教えていただきこちらを購入しました。(読みものですが絵もたくさんついています)
安房直子 十七の物語
夢の果て 文:安房直子 絵:味戸ケイコ
瑞雲舎 平成17年
こちらがまた装丁もデザインもとても美しい本で手に取っただけで幸せな気持ちに。
手触りの良い紙質、見開きの綺麗なピンクに同じ色の栞紐。
ページ番号の両脇にも小さな鳥の絵がついています。カバーを取ると別なデザイン!
なんて贅沢な作りなんでしょう。そして文字の配置の仕方も全てが好き。
充実の中身に加えてこんなに素敵なんです。ぜひ手に取ってご覧くださいね。
安房直子さんの本は大人が読んでも本当にものがたりに酔いしれ、うっとりしてしまいます。
小学校の図書室で出会った安房直子さんの本をウン十年(笑)たっても読み続けている私。
その出会いはなんて貴重な出会いだったのでしょう。
自由に本を読める時間を作ってもらえて良かったな。先生ありがとう。
図書室の思い出があるって嬉しいことです。自由に本を読める時間がとても楽しみでした。
みなさんの読書体験の思い出もいつか教えてくださいね。
それでは今日はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。