🌸桜前線がようやく北海道の南、函館地区に上陸したとのこと。
私の住む町ではまだ見られませんが、桜とともに一気に咲き誇る春の花々を想像するとウキウキしてきます🌷
コロナは変容しつつ生き残りをかけて頑張っていますが、私たちは絵本からエネルギーをもらって免疫力ア~ップ!
絵本仲間はみな元気元気です!!
絵本の魅力のひとつは、
短い文章と絵だけで構成されながら、読み終わった後は、一本の映画を見たようなボリュームあるストーリーと内側に残る余韻が大きいことです。
なぜこんなに印象が深く残り、共感することが出来るのでしょう。
絵本の物語のストーリーや登場人物などのモチーフは、メタファーです。
柔らかい光や風となって読み手・聞き手の心に運ばれ包んでくれます。このたとえ話は間接的であるために、イメージを広げ、表現を豊かにし、抵抗感なくメッセージを伝え、私たちも受け取ることが出来るからでしょう。
メタファーとは、暗喩(あんゆ)や隠喩(いんゆ)と呼ばれており、あからさまな比喩表現を使わないたとえのこと。心理学や哲学の分野では、「行動や夢のイメージの置き換え」という意味で使われるようです。
先日、絵本セラピスト®さん向けのフォローアップ講座の一コマ【行動科学×絵本セラピー】を担当し、研究所の先生とともにオリジナルプログラムをプレゼンさせていただく機会を得ました。
私自身のストーリーから、絵本をメタファーとして沿わせ、いま伝えたい思いを伝えるレクチャーライブです。
スタートは自己紹介を兼ねて、ここ数年の私のテーマ本であったこの本を選書しました。
これは、私の朗読の師匠、山根基世先生(元NHKアナウンサー)の翻訳本というご縁と思い入れのある一冊です。
『ちっちゃな木のおはなし』
作: ローレン・ロング 訳: やまね もとよ
出版社: 評論社 発行日: 2017年04月30日
葉は青く茂り、友だちの動物たちも遊びに来てくれてしあわせなちっちゃな木は、
「ずっとこのままだといいな」
と思ったので、秋がきても冬が来ても葉っぱをつけたまま。
季節がめぐって他の木々はかがやく若葉をつけていても、ちっちゃな木は枯れた茶色い葉っぱのまま。
「はっぱがちったらどうしよう・・・」
とどうしても手放せないのです。
ちっちゃな木の孤独、動物たちの応援、幸せだった日々への郷愁・・・現実を見たとき、やっと決心し、勇気を奮って葉っぱを落とす・・・という葛藤と成長の物語です。
この作品は、ここ数年いつまでも自分の枠や過去の思いに縛られて、葉を脱ぎ捨て、新芽を出す勇気が出ない私のあり方を問う絵本でした。
読むたびに胸がチクチクと痛むのです。
でも、いつかはこのちっちゃな木のようになりたい、なるんだ、と携えてきた本でした。
エンディングのことばはこうです。
「・・・なにかあたらしいことがはじまったようですよ」
と。
今回の講座を機に、漸く私も自分の気持ちと皆さんへの思いをメタファーとして乗せ、新たな一歩を具現化することが出来たのです。私の道のりに寄り添ってくれた一層大切な絵本になったのは言うまでもありません。
もう一冊ご紹介します。
今回のセラピー講座で使った絵本の中には、私の十八番本もありました。
(以前、ブログでもご紹介した本ですが)
そこに書かれていることばたち、絵たちが、まさにメタファーそのものです。
『ことばのかたち』
作: おーなり 由子
出版社: 講談社 発行日: 2013年07月18日
「もしもことばが目に見えたら」・・・
美しいことばはどんな花でしょう。
愛のことばは、どんな形や色をしているのでしょう。
人を傷つける言葉は・・・?
・・・この絵本から受け取る答えは、きっと十人十色。
絵本というメタファーから受け取る世界観は、彩り豊かな多様さが許され、優しく包んでくれます。
ですから、私たちの心が解放され、大きな気づきや深い共感を生むのだと思います。
何年も生きている大人であればなおさら、
一人一人の人生、それぞれに寄り添ってくれるものなのです。
絵本の魅力と可能性は無限大!
と改めて実感した最近の出来事でした。
たかたか